デキる今どき新人を3年以内に辞めさせない育て方とは? マネジメント層は「子ども扱いせず、言葉でコミュニケーションを」
上司や受け入れる側が、まめに成長に気づいてあげる
最初にあったような“丁寧に育てる”というのであれば、こうした周囲からのコミュニケーション面や作業面で気づきを与えることはとても重要だと思います。 しかしながら中小企業など、人員に余裕のない組織は多いのではないでしょうか。 管理職が忙しすぎて、若手に時間が割けないという会社は少なからず存在します。そんなときは、自己啓発を促すことも重要です。 私がいた会社では、会社の業務に役立つ資格を取ったり、直接は業務に関係ないものでも通信教育などで学びを修了したりすると、会社から半額程度の奨励賞が贈られていました。 通常は、人事部からその人がいる部署に「修了証」がきて、上司が本人に直接渡して終わりです。 しかし、私が以前指導されたある上司は、必ず朝礼でみんなの前でその修了証を渡してくれるのです。資格取得のために夜間や休日を利用して勉強している姿は先輩社員にも刺激になります。 朝礼の場でそうして機会を作ってくれたことで、自尊心が高められた思いがしました。“もっと成長したい!”という次への励みになりました。
つまずきも成長も、小さいことに目を配る
“つまずき”体験も必要、と最初に書きましたが、「こんな仕事は楽勝です」と思う若手でも失敗はつきものです。 そうしたときは、あえて失敗を待つ姿勢も重要ですね。 「ほら、言っただろう」という気持ちになることもあるでしょうが、部下の失敗を温かい目で見守る姿勢も大事ですね。 つまずいたときもこうして小さなステップを上ったときも、どう声をかけコミュニケーションを取っていくかが、やはり人を育てていきます。 動物などは、ある時期になったら餌を自分で捕らせるようにしており、一人前に捕れるようになったら、もう構わないようです。 しかし、人間には言葉があります。 きちんと言葉でコミュニケーションを取りながら、「小さな成功の芽」を見つけてあげるつもりで、どんどん経験をさせてあげてはいかがでしょうか。 gn Studio)
【編集部注】記事内の情報は、2024年7月時点のものです 構成・編集:岩辺みどり 写真:鈴木愛子 デザイン:山口言悟(Gengo Desi