デキる今どき新人を3年以内に辞めさせない育て方とは? マネジメント層は「子ども扱いせず、言葉でコミュニケーションを」
お客様扱いするより、最初の3年で多くの体験を
ただ、そうは言っても、新人が完ぺきに業務をこなせるわけではないので、いろいろな業務をこなしながら“つまずく”経験も、教育の一環です。失敗も教育の機会なので、それも新人時代に経験させてあげたほうがいいことの一つかと思います。 そうした経験をさせるためには、簡単な雑務だけを頼んだり、子ども扱いしすぎたりせず、ちゃんと任せてみることも実は必要になります。 下記の厚生労働省のデータでもわかるように、3年以内の離職率は高く、社会的にも大きな問題になっています。大企業であっても新卒者の25%前後が3年以内に離職しているというデータが出ています。
辞められるのが怖くて、お客様のように丁寧に扱いすぎてしまう企業もあるかもしれませんが、逆に最初の3年にどこまで経験できるかということを新入社員たちはちゃんと見ています。 だからこそ、丁寧に扱いすぎるよりも、経験をもっとさせてみるのがいいのではないでしょうか。
“雑務”も本当は重要な仕事の一環
一方で、“雑務”という仕事は、本来はないと私は思っています。雑草という名前の草がないのと同様に、、どんなに小さな仕事でも、全て名前があり、意味があると思うのです。その意味をきちんと説明してあげることが管理職には求められますね。 ペーパーレスの時代にコピーを取ることもないかもしれませんが、わかりやすい例としてコピーをあげてみましょう。 ただ上司に「コピーを取っておくように」と頼まれたとしても、 Aさんは、言われた通りにただコピーし、上司に渡す Bさんは、書類の内容を確認して間違いを見つけ、修正をしてからコピー Cさんは、コピーしたものを渡すお客様の見やすさを考えて配置し直して整理 というように人によって対応は異なってくることがあります。
どれが正解と言いたいのではなく、一つの小さな作業でもこれだけの差が出ますし、成長の機会にもなります。 最初から理解のよい若手は、何も言わなくてもCの対応をしますが、たいていはAが多いです。そんなとき、コピーという小さな作業一つでも依頼する側が「BもしくはC」の対応ができるように、指導する必要がありますね。 忙しい中堅社員などをフォローすることも重要な役割なのです。使われる場面などを説明することで、彼らの意識はさらに変わってくると思います。 そしてこの書類の中身に対して、興味を持つかもしれません。いずれ自分もこうした仕事にかかわる立場になるんだ、と。