お米を「美味しく長持ち」させる保存法を、五ツ星お米マイスターが伝授!
自家製「真空パック」で1年保存が可能に!
さらにもっともっと長持ちさせたい人は、「真空パック」がおすすめと西島さん。西島さんは実際にこの方法で古米を美味しく食べているそう。 「精米した米は、空気に触れることで劣化が進みます。つまり真空状態で保存すれば劣化する速度を抑えることができるんです」 まず、精米した米を2合、3合など使いやすい量に分けて薄いポリ袋に入れ、フォークで穴を空けます。それをさらに布団の圧縮袋に入れ、掃除機で空気を抜くと即席“真空パック”に。これで、常温で1年間は持つそう。使いたい分だけを抜いて、また掃除機で空気を抜けばOK。冷蔵庫に入らない分はそうしておくのがベスト! 「私が食べているのは3年前の真空パック。毎年、新米を食べなきゃいけないので、余った米はこの方法で保存して無駄なく食べています。さすがにツヤはなくなった気がするけど、全然普通に食べられますよ!」 3年前のお米まで長持ちするなんて驚きました! 家庭でも簡単にできる方法なので、ぜひお米がたくさん余っている人はチャレンジしてみてください。
玄米なら「常温で半年」保存できる
以上は精米した米の保存法でしたが、実は精米する前の玄米なら、常温保存も可能とのこと。 「玄米はいわば服を着ている状態。精米した丸裸の米よりもガードが堅いので、生活環境にもよりますが、常温で半年は美味しく食べられます。これが玄米の力です。 いま玄米を買った人は、梅雨までは大丈夫だと思ってよし。梅雨から高温多湿になるので、カビたり、味が落ちたりする可能性が出てきますが、それまでは常温保存でOK。とはいえ、なるべく涼しい場所で保管してください。 精米所で精米するなら1週間分、家庭用の精米器なら2~3日分など、理想としてはこまめに精米して食べるのが一番美味しい」 さらに玄米ならではの嬉しい副産物が「ぬか」。昔の人はぬかまで多様に無駄なく使っていたと西島さんは教えてくれました。 「ぬか床や家庭菜園の肥料に使ったり、クッキーに入れたり。美肌効果があるので、お風呂に入れてもいい。昔の人は米ぬかを水に溶いて顔に塗っていましたよね。昔のタンスが黒光りしているのは、ぬかで磨いた証拠。木の隙間にぬかを埋め込むと黒光りするので、そのようにして一生ものの家具に仕上げていた。ぬかまで上手に無駄なく使っていたんです」 昔の人は米を全部食べ切って、ぬかまで余すところなく使い切り、まさにSDGsな暮らしをしていたのですね。スーパーで精米した米が売られるようになり、いつでも気軽に買えるようになった反面、昔ながらの知恵を私たちは忘れてしまったのかもしれません。