自民裏金議員は半数以上28人が討ち死に…旧安倍派は“大粛清”も「5人衆」は首の皮一枚で4勝1敗
「裏金議員」は死屍累々の結果となった。今回の衆院選で「非公認」、もしくは「公認だが比例重複なし」での出馬を余儀なくされた裏金議員は44人。離党や議員辞職した議員を含め計46人の当落をまとめたのが、画像の【別表】だ。実に半数以上の28人が議席を失った。 【写真】安倍新内閣はまるで“カルト内閣”…旧統一教会がらみ12人、日本会議系も12人 落選した裏金議員のうち武田良太元総務相を除き、全員が旧安倍派に所属。かつては衆参両院で約100人の大所帯だった旧安倍派が“大粛清”される中、萩生田光一元政調会長、西村康稔元経産相、松野博一元官房長官、高木毅元国対委員長、世耕弘成前参院幹事長の「5人衆」は、しぶとく4勝1敗。高市早苗前経済安保相の夫で無所属の山本拓元衆院議員との保守分裂選を強いられた高木氏だけが落選した。パンツもといフンドシを締め直して再起を図るか。 裏金2728万円の萩生田氏は旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係も取り沙汰され、立憲民主党の有田芳生元参院議員に約8000票差まで追い上げられた。勝敗が判明したのは投票締め切りから約4時間後の午前0時ごろ。もつれにもつれた激戦について萩生田氏は「本当に厳しい選挙戦だった」と振り返り、「政治家として新しい命を吹き込んでいただいた思いだ」と固い表情を崩さなかった。
下村博文氏は「2000万円支給問題」に恨み節
高木氏を除く「5人衆」が首の皮一枚を残す一方、旧安倍派幹部の下村博文元文科相は開票直後に落選確実が判明。小選挙区制が導入された1996年から9期連続で当選を重ねていたが、吹き荒れる逆風には勝てなかった。「私の不徳の致すところ」と繰り返し、党本部が非公認候補の政党支部に2000万円を支給した問題が報じられたことに「ものすごくマイナスになった」と恨み節を吐いた。 街頭演説で安倍元首相をしのんでは涙を流していた丸川珠代元五輪相は、夫の大塚拓前衆院議員と夫婦そろって“ただの人”に。「安倍先生のネクタイを締めて選挙戦を戦い抜く」と意気込んでいた高鳥修一前衆院議員もあえなく散った。 ◇ ◇ ◇ 衆院選の落選が確実となり、無念さをにじませた自民党の武田良太元総務相。影響力に陰りがみえる麻生氏に代わり、福岡のドンの座を狙う目算だったが、選挙に落ちればただの人――。関連記事【もっと読む】では詳しく報じている。