【独自】信号待ちの車列に突っ込む 4人死傷の多重事故 不起訴も再捜査で50代の女を起訴 和歌山
和歌山市で2021年、当時22歳の女性が死亡し、3人が重軽傷を負った多重事故で、検察が、いったん不起訴処分にした女を危険運転致死傷の罪で起訴したことが、関係者への取材で分かりました。 2021年7月、和歌山市の紀の川大橋で、車やバイクなどが関係する多重事故があり、原付バイクの竹田汐里さん(当時22歳)が死亡。3人が重軽傷を負いました。 警察は、信号待ちの車列に突っ込んだ車を運転していた50代の女を当初てんかんの発作で意識を失う恐れがある状態で運転し、事故を起こしたとして、危険運転致死の疑いで逮捕しましたが、検察はおととし8月、嫌疑不十分で不起訴としていました。 竹田さんの両親らから不服の申し立てを受けた検察審査会は、危険運転致死傷罪での起訴は事故が法律に定められていない病気に起因する可能性があり困難としつつも、女が医師から2度にわたり持病を理由に運転を控えるよう指導されていたことなどから、過失運転致死傷罪での起訴の可能性を検討すべきだとして「不起訴不当」を議決。 関係者によりますと、検察は再捜査の結果、危険運転致死傷の罪で女を起訴したということです。 ■検察審査会を経て、起訴まで至るケースは少ない 検察が不起訴にする場合、3つの評価があります。 犯罪の事実がない場合は「嫌疑なし」。犯罪の成立を認定する証拠が不十分な場合は「嫌疑不十分」。犯罪の軽重や情状を鑑み、訴追を必要としないと判断した場合は「起訴猶予」となります。 検察の不起訴処分に対して不服が申し立てられた場合、検察審査会が審査をして「起訴相当」「不起訴不当」「不起訴相当」の議決をします。 犯罪白書によりますと、今回の事件と同じ「嫌疑不十分」と判断されたものが、その後の検察審査会で「起訴相当」か「不起訴不当」の議決が出され、起訴されたケースは、2022年は10.8%となっています。
ABCテレビ