トヨタグループ不正「期待裏切り、制度の根底揺るがせる重いこと」 豊田章男会長が会見で陳謝
トヨタグループ不正「期待裏切り、制度の根底揺るがせる重いこと」 豊田章男会長が会見で陳謝
トヨタ自動車の豊田章男会長が30日、名古屋市内で記者会見し、グループ企業の日野自動車やダイハツ工業、豊田自動織機などで不正行為が相次いで発覚したことについて「お客様の期待を裏切り、認証制度の根底を揺るがせる極めて重いことと受け止めている。グループ責任者としておわび申し上げる」と陳謝した。 【動画】トヨタ自動車・豊田会長が新たなグループビジョン公表 グループ会社の品質不正を陳謝
「グループ発祥の地」での会見に注目集まる
会見はトヨタグループ17社のトップらに新たなビジョンを示す場に合わせて開催。当初はグループの創始者・豊田佐吉の誕生日である2月14日を予定していたが、相次ぐ不正の発覚を受けて前倒ししたという。 会場のトヨタ産業技術記念館は、佐吉が織機の研究開発を始めた試験工場の建物を活用した展示施設。グループ発祥の地で一連の不祥事について豊田会長が何を語るか注目され、多くのメディアが駆け付けた。 豊田会長は、不正が発覚したグループ3社に共通する問題として「認証試験で不正をしながら、本来は生産・販売してはいけない商品をお客様に届けてしまった。絶対にやってはいけないことをやってしまった」と指摘。「トヨタグループ全体の責任者は私」とした上で信頼回復に努める決意を示した。
原因は複数だと認識、他の不正は「知っている限りない」
一方、一連の不正は「いろんなことが重なりあって起こった現象」だとし、グループで他に不正を働いている会社があるかどうかについては「私の知っている限りではありません」と断言した。 昨年4月にトヨタ自動車の社長を退き、会長職に就いたのは「大きな変化点」だったとし、「その変化点によってこうした問題が多々出てきたのは、ある面でいいこと」とも述べた。「今、私がやるべきことはグループが進むべき方向を示し、次世代が迷ったときに立ち戻る場所を作ること。すなわちグループとしてのビジョンを掲げること」だとして、「次の道を発明しよう」というスローガンを示した。 (関口威人/nameken)