日本の企業経営改善に着目、香港のセングが新たなヘッジファンド
(ブルームバーグ): 香港のセング・キャピタルは日本の金融市場復調に着目し、日本の企業経営改善に焦点を絞った新しいヘッジファンドを開始する。
大平吉彦最高投資責任者(CIO)らはインタビューで、新ファンドのトレーディング開始は10月の早い時期だと明らかにした。この日本ファンドにはHSグループ(香港)が複数年にわたる支援を提供する。同社は手数料収入の一部を得る代わりに、こうした新興の運用会社に戦略的出資をしている。
日本が長期にわたるデフレから脱却する一方で、中国は国内経済の減速に直面。投資家はより多くの資金を日本で運用しようとしているが、データ会社プレキンによる7月中旬時点での推計によると、日本に特化したヘッジファンドの数はここ数年ほとんど増えていない。
大平氏は「より多くの日本企業がコーポレートガバナンス(企業統治)を改善させ、指名委員会を通じて、より欧米的な手法で新たな経営陣を選出している」と指摘し、「CEO(最高経営責任者)が社外から就任するケースも増えている」と語った。
大平氏によれば、セングは時価総額が中程度から大規模で、流動性の高い日本企業約400社から投資先を選ぶ。常に約50銘柄に強気と弱気を見込んだ取引をすることを目標としている。
ロング(買い持ち)サイドでは、経営の質向上が効率と利益率の改善につながると思われる企業を選ぶ一方、ショート(売り持ち)は非効率的な経営や業界ダイナミクスの変化により、ファンダメンタルズが悪化している企業を対象とするという。
HSグループのマイケル・ガローCIOはセングについて、「ガバナンス改革が大きく進展し、企業のリーダーシップが世代交代している今、日本の企業戦略を評価することの妥当性を物語っている」と述べた。
原題:New Hedge Fund Gains Backing for Bets on Japan Market Revival (抜粋)
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Bei Hu