世界に向けて日本の魅力を発信!アウトドアジャパン編集長に聞く「日本のアウトドアの魅力」
世界に知れ渡った日本の自然の魅力
アウトドアスポットにも、熱い視線が世界から集まる。以前は日本語以外の情報は非常に限られており、豊かな自然があることも知らずに帰国していく人がほとんどだった。しかしいまは、スキーや登山を目的として日本を旅先に選ぶ人たちが少なくない。 アウトドアジャパン読者も、かつては記事を読んではじめてその場所を知ったという人がほとんどだった。それがいまは目的の場所をすでに決めているなかで、さらに詳しい情報を求めてウェブサイトを訪れてくる人が多くを占める。 「はじめて日本に来る人たちは、まずは東京や京都、大阪といった大都市を訪れる。けれども2回目、3回目になると日本の田舎に目を向けていく。彼らは、日本のことを本当によく知っている。以前は誰も知らなかったような秘境、お寺や神社といった伝統的な場所から、お祭り、アウトドアスポットについて、すでにかなりの情報を持っているんです。 最初はスキーをするためだけに来ていた人も、日本が大好きになってほかのシーズンにも訪れるようになっている。そのなかには友達を作って、彼らに会いに訪日する人もいます。ソーシャルメディアなどで情報が入手しやすくなったことが影響しているんだと思うけど、この10年ほどで本当に多くのことが変わりました」 ロビンソンさん一家は、冬のあいだは長野県の野沢温泉村、そのほかの季節は沖縄県読谷村で暮らしている。古民家を改修した宿泊施設を開いたり、国内外のクラフトビールと餃子が人気の飲食店もはじめた。アウトドアジャパンも写真と文字情報だけでなく、近年は映像コンテンツにも力を入れ、もっと日本を知りたいという読者の期待に応えている。 新型コロナウイルスの世界的流行で冷え切ったインバウンド需要。しかし、昨年の10月から入国制限が完全に撤廃されており、訪日客はかつてない勢いで増えている。昨冬は撤廃直後ということもあってスノーリゾートを訪れる人はそれほど多くはなかったと話すロビンソンさんだが、「来冬は、さらに増加する」と予想する。 「いま世界中の人たちが日本に夢中になっているのは、自分の国とはまったく異なる文化を見ることができるからでしょう。しかも、日本は本当に安全で、政治的にも安定している。街は綺麗だし、見どころも多い。人も、みな親切ですよね。それに、なんといっても食事が抜群に美味しいことが最高です」 そのいっぽうで、オーバーツーリズムなどの問題が起きていることも事実だ。 「いま起きている問題に対処しながら、日本ならではの魅力を失わないようにしていくことが大切です。日本を訪れる人たちと地元の人たちが触れあいを深め、相互理解が生まれるような旅が理想になります。そうした交流を続けることで、いま起こっている問題の多くが解決できるはずです」