処理水放出きっかけに混乱したホタテ市場、体力削られる加工業者「これほどの影響は想定外」
見えない風評被害
処理水の放出によって福島の水産物は、全国各地のたくさんの人から応援をしてもらい、支えてもらい、大きな風評被害が生じることなく歩むことができた。一方で、県外に目を向けてみると、中国の禁輸措置などの影響を色濃く受けている漁業関係者がたくさんいる。そのうえ賠償の在り方をめぐって、生産者と水産加工業の分断を生みかねない、複雑な様相を呈そうとしている。影響が表面化しづらい福島県外の水産加工業が置かれた「見えない風評被害」。この現状も多くの人が知るべきことではないだろうか。
取材を終えて
今回は福島第一原発のALPS処理水が海洋放出されてから約1年での影響というテーマで取材しました。普段は福島県内で取材をしているため、特に県外の漁業者や企業がどのような影響を受けているかに注目しました。千葉社長の水産加工会社のように今も影響が続いている企業があることや、東京電力による賠償が思うように進んでいないことも初めて知りました。原発事故がテーマとなるとどうしても福島県内の企業や人、それらに対する被害などに大きな注目が集まって来たと思います。その一方で、福島県外の企業や人には注目が集まりにくい状況が続いていたのではないかと感じました。そのため、風評被害が起きていることも、続いていることにも社会の関心が向けられてこなかったのではと思います。今回の記事を通して、より多くの人に関心を寄せて頂き、影響を受ける企業の業績が少しでも回復に向かうことを願っています。 ※この記事は、福島中央テレビとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
福島中央テレビ