SDGsに積極的な企業、「過去最高」の54.5%に ~取り組む企業の7割が効果実感~
現在力を入れている項目、目標8「働きがいも経済成長も」がトップ
SDGsにある17個の目標のなかで、現在力を入れている項目を尋ねたところ、働き方改革や労働者の能力向上などを含む「働きがいも経済成長も」が34.0%で最も高かった(複数回答、以下同)。 次いで、再生可能エネルギーの利用などを含む「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」(25.0%)、リサイクル活動などを含む「つくる責任つかう責任」(23.2%)、カーボンニュートラル製品の使用などを含む「気候変動に具体的な対策を」(23.1%)が続いた。 なかでも近年政府が注力している女性活躍推進などを含む「ジェンダー平等を実現しよう」(14.6%)は前年比2.4ポイント増となり、最も大幅に上昇した。 総じて、いずれかのSDGs目標に力を入れている企業は72.8%となり、SDGsに「取り組んでいない」などと回答した企業でも、気付かないうちにSDGsに取り組んでいる企業が多数あることが分かった。
企業の7割がSDGsの効果を実感、「企業イメージの向上」「従業員のモチベーションの向上」が上位
現在SDGsの各目標に力を入れている企業に対して、取り組みによる効果を尋ねたところ、『効果を実感』している企業の割合は前回調査(69.2%)から0.3ポイント増の69.5%となった。 なかでも、「企業イメージの向上」が39.8%でトップとなった(複数回答、以下同)。次いで、「従業員のモチベーションの向上」(32.9%)も3割台で続いた。以下、「経営方針等の明確化」(17.8%)、「採用活動におけるプラスの効果」(16.7%)が続いた。 また、「売り上げの増加」が11.6%となるなど、SDGsをビジネスチャンスとして捉え、「新規事業立ち上げ、新商品・サービス開発」につながった企業も8.1%ある。SDGsへの取り組みは社会課題の解決への貢献だけでなく、ビジネスチャンスの獲得、ひいては業績の改善にも結びついている可能性が示された。
4社に1社がDEI(多様性、公平性、包摂性)への取り組みに積極的
近年、SDGsとの関連が深い「DEI(Diversity=多様性、Equity=公平性、Inclusion=包摂性)」という考え方・取り組みへの注目度が高まりつつある。 自社におけるDEIへの理解や取り組みについて尋ねたところ、「意味および重要性を理解し、取り組んでいる」企業は8.8%、「意味もしくは重要性を理解し、取り組みたいと思っている」は16.6%だった。合計すると25.4%となり、4社に1社が『DEIに積極的』であることが判明した。 一方で、「言葉は知っていて意味もしくは重要性を理解できるが、取り組んでいない」は26.6%、「言葉は知っているが意味もしくは重要性を理解できない」は9.8%、「言葉も知らない」は23.6%だった。しかし、「DEIという単語は初めて聞いたが、この取り組みは以前から行っている」のように、言葉自体は意識せずとも既に取り組んでいる企業も複数みられた。 なお、SDGsと同様に企業規模が小さいほど『DEIに積極的』な割合が低い傾向にある。