「20年付き添う覚悟を」 “猫おじさん” サンシャイン池崎が語る、ペットを不幸にしないためにできること
不幸な猫を減らすために必要なのは、学校やペットショップでの「知識の共有」
――保護猫団体の方と接するなかで、猫たちをとりまく現状についてどんなお話をすることが多いですか。 サンシャイン池崎: 僕がよく聞くのは、多頭飼育崩壊です。たとえば、ブリーダーさんが猫をたくさん繁殖させたものの、うまく販売できなくて手に負えなくなるとか、おじいちゃんが飼ってた2~3匹の猫がみるみる増えて40~50匹になって、世話しきれずに家中うんちまみれで住んでるとか……。 そういう状況になってしまわないように、もっと猫の飼い方とか多頭飼育崩壊の危険性とかを発信して、みんなに知ってもらったほうがいいんじゃないかと思うようになりました。あまり知識がないままなんとなく飼い始めた結果、想像以上に猫が増えてしまうケースって珍しくないんです。 だから、子どものときに学校でペットの飼い方を教えるとか、そういった現状を知る機会があればいいなと思います。子どもの頃からそういう情報に触れていれば、大人になって猫を不幸にしないはずなので。あとはペットショップの人が、猫を売るだけじゃなく猫を飼うときの知識をちゃんと共有してあげることも重要じゃないでしょうか。 保護猫団体さんは、譲渡のときに「こうしてください」とか「これはしないでください」とか、めちゃくちゃ情報を教えてくれるんです。譲渡される猫ちゃんたちは去勢とか避妊とかされているから、そんなに一気に増えることはないし。そういったことをペットショップでも教えてもらえたらいいですよね。 ――池崎さんのもとには「不幸な猫たちをなんとか救ってほしい」という声も多く寄せられると聞きました。 サンシャイン池崎: インスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)などで、「このままだとこの子が殺処分されてしまいます。どうすればいいですか」みたいな相談はたくさん届きますね。助けてあげたい気持ちはあるんですけど、本当にキリがなくて……。 最近は保護猫団体さんも少しずつ増えているので、困ったら一度連絡してほしいです。猫が飼えなくなったからと無責任にポイって投げ出すんじゃなくて、そういう団体に「引き取ってくれませんか」と相談してほしい。 きっと、困ったときにどこに連絡すればいいかとか、そういう団体があることとかを知らないケースが多いんじゃないかなと。最初は僕も知らなかったし。飼い方についての知識や保護猫団体の存在が常識レベルで知れ渡れば、殺処分は減らせると思います。 ――池崎さんがメディアやSNSで発信することで、保護猫団体にも注目が集まり、保護猫の支援にもつながるのではないでしょうか。 サンシャイン池崎: そうですね。僕はお笑い芸人なので、発信することで協力できることもあるかなと思っています。そもそも「保護猫って何?」みたいな方もまだまだ多いので、少しでも知ってもらえるきっかけになればいいなと。