「20年付き添う覚悟を」 “猫おじさん” サンシャイン池崎が語る、ペットを不幸にしないためにできること
2022年6月以降、ブリーダーやペットショップなどを対象に、犬猫のマイクロチップの装着が義務づけられた。犬や猫が迷子になったときに飼い主や住所がわかるというメリットがあり、動物を飼うことへの責任意識の向上も期待されている。2018年に保護猫2匹を引き取り、その写真を投稿しているSNSが大きな話題となったサンシャイン池崎さん。現在、保護猫団体でのボランティア活動などもおこなうサンシャイン池崎さんに、猫に関する課題や、猫を飼う前に考えたい“覚悟”について話を聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
マイクロチップ装着は「全然あり」――なくならない“迷子猫を探してます”の声に思うこと
――そもそも池崎さんが猫を飼うようになったきっかけを教えてください。 サンシャイン池崎: 僕は子どもの頃、すごくボロい家に住んでいました。家族で川の字で寝ていたら、屋根裏からボカーンって猫が降ってくるんですよ。雨漏りじゃなくて、猫漏りです(笑)。そのくらい猫は身近な存在だったし本当に好きだったので、当時から「将来、お金に余裕ができたら猫と暮らしたい」っていうのはずっと思っていました。 実際に飼うことを考え始めたのは、ようやく芸人としてお金をもらえるようになった2016年ごろ。でも、子どもの頃から野良猫と遊ぶのが日常だったので、ペットショップで猫を探すという発想はなかったんですよね。 そこで猫を飼っている知り合いに相談したところ、「猫の森」という保護猫団体を紹介してくれたんです。その施設に実際に面会に行って、2匹を迎えることに決めました。 ――池崎さんは、保護猫団体のボランティア活動もされていると聞きました。ボランティア活動まで始められたのはなぜですか? サンシャイン池崎: 僕が引き取ったふうちゃんとらいちゃんっていう猫が、本当にいい子なんですよ。もう家族みたいな感じで。ふうちゃんとらいちゃんに話しかけながら家で一緒に過ごしてたら、暗かった部屋が明るくなるような気がしました。 しかも、ふうちゃんとらいちゃんがきっかけでSNSがバズるし、「猫好きだから池崎も好き」とか「池崎のイメージが変わった」とか、この子たちのおかげで僕の印象も良くなっていったんです。本当に“招き猫”だなって。この子たちへの感謝の気持ちもあってボランティアを始めました。 ――実際にボランティアを始めてみていかがでしたか。 サンシャイン池崎: 保護猫団体さんは、猫を保護したら身体をキレイにしてご飯をあげて、病院に連れて行ってワクチンを打ってあげて、人馴れするのを待って、ようやく譲渡できる。「猫を助けたい」という一心で保護していますけど、譲渡するまでには大変な苦労があるんですよね。 なかでも金銭面の負担がとにかく大変だって思いましたね。一度に何十匹もの猫を保護することもあるなかで、去勢や避妊の手術費、病気を持っていたらそれを治すための薬代もかかるし……。とにかく医療費がかかるって話を聞きました。 ――猫を飼い始める際、保護猫団体の方とのやりとりで印象的だったことはありますか? サンシャイン池崎: 譲渡の際に、家の広さや収入、どれくらい家を空けることがあるのかを確認されました。なにより「猫を飼う覚悟があるか」を大事にして確認されている印象を受けましたね。 猫は20年生きます。保護猫を引き取っても、「やっぱり自分と合わない」とか「お金がない」とかでまた捨てちゃうような人もいるらしいんです。そういうことがないように、猫が20年生きることとか、ときにはお金がかかることをちゃんと伝えることが必要なんだなと感じました。 ――今年の6月1日から、ブリーダーやペットショップで販売される犬・猫に対してマイクロチップ装着が義務化されました。これについて、池崎さんはどう考えますか? サンシャイン池崎: 僕は全然ありだと思いますね。家から猫が脱走したとかよく聞くし、今でも「迷子猫を探してます」という張り紙やSNSの投稿も見かけるし。猫が逃げ出したときに、どこの猫かという情報がわかるのはいいんじゃないでしょうか。体に害がなければ、導入したほうがその子のためになるんじゃないかなと思います。