樟南ナイン

＜第106回全国高校野球選手権鹿児島大会：樟南 2－0 鹿児島城西＞◇25日◇準決勝◇平和リース球場 【トーナメント表】鹿児島大会 準決勝までの結果一覧 　樟南は立ち上がり、二死二塁の好機に4番・迫山 寛汰（2年）が左翼線二塁打を放って先制する。2回は一死二三塁と下位打線で好機を作り、9番・村上 竜之介（3年）の犠飛で2点目を挙げた。先発は背番号18の2年生右腕・五反田 流星。135キロ以上の力強い直球にカットボールやスプリットなども巧みに交え、強打の鹿児島城西打線を抑えた。 　鹿児島城西は4回裏、一死から3番・川畑 孝太郎（2年）の右前打を皮切りに、3連打を浴びせ、一打同点、逆転の好機を作ったが、生かせなかった。 　樟南は7回からは犬窪 晴人（2年）をリリーフで送って、鹿児島城西打線に付け入るスキを与えない。 　鹿児島城西も4回からは左腕・大家 夢人（2年）、8回からは笹田 隆雅（2年）をリリーフで送り、樟南打線に追加点を与えない。 　終わってみれば3回以降は両者得点が奪えないまま、樟南が完封勝利で決勝進出を果たした。 　序盤で2点を先取した樟南が、準々決勝に続く2試合連続完封勝利で3年ぶりの決勝進出を勝ち取った。「初回、2回で先に得点できたので、守備からリズムを作るチームとしては良い形で試合を進めることができた」と坂口 優志主将（3年）。3回以降追加点がとれなかったが、鉄壁の守備で得点を許さず、連続無失策試合記録を5に伸ばした。 　大きなヤマ場は4回表、一死から3連打を浴びた。一打同点、逆転のピンチだったが、三直、左飛で守り切った。「守備には自信があったので動揺はなかった」（坂口優主将）。日頃のノックなどから「守備にはこだわりをもって練習に取り組んでいる」姿勢が、今大会随所に発揮されての5試合連続無失策だ。 　先発の五反田、7回からリリーフした犬窪、2年生2人の好投が完封劇の原動力になったことは間違いない。五反田は右上手の本格派、犬窪は右横手、タイプは違うが、直球が最速130キロを超えるようになり「力のある球が投げられるようになった」（山之口和也監督）ことで先発の柱を任せられるようになった。 　彼らの持ち味を随所に引き出した2年生捕手・篠原 流依の存在も欠かせない。直球に加えて五反田は「1巡目はカットボール、2巡目はスプリットも交えながら緩急を生かした」リードを心掛けた。鹿児島実戦を完封した犬窪は「勢いがあったので直球でどんどん押していった」。 　8回に先頭打者の出塁を許したが、盗塁を阻止し肩でも投手陣を援護した。「走ってくるのは分かっていたので、けん制を多めに入れて、タイミングを計り、思い切り投げた」と会心のプレーを振り返った。中学時代は投手で、捕手を始めたのは今年の春から。投手への未練もあったが「チームが勝つために自分に与えられた役割を果たす」ことを意識し、日頃の練習から投手陣の特徴をつかんで、試合では持ち味を引き出すリードを心掛けている。 　決勝の相手は神村学園。「良い打者がそろっているので、最初から全力でリードする。受け身にならず攻めのリードをする。無失点で抑えたい」と強気に意気込みを語っていた。