YARTの連覇か?それともヨシムラの逆転か? | FIM 世界耐久選手権(EWC) 2024 第4戦(最終戦) ボルドール24時間耐久ロードレース【プレビュー】
昨年、14年ぶりの世界耐久チャンピオンを奪取した「#1 YART YAMAHA」は鈴鹿8耐では悲願の表彰台を獲得。マンディ監督はその喜びを爆発させました。そして連覇に賭けるボルドールですが、それを前にチームのエースとも言える元MotoGPライダーのニッコロ・カネパが引退を表明しました。彼はMotoGPから耐久にライダー転向した草分け的存在であり、速さと安定した走りでどのライダーよりも総合力が高かったライダーといえます。マービン・フリッツ、カレル・ハニカとも家族のような仲の良さで、息ぴったりなトリオだったのですが、この3人でレースをするのは今回で最後になります。なんとしてでもタイトルを獲りたいところでしょう。
一方、「#12 YOSHIMURA SERT MOTUL」は日本人ライダー、渥美心のレース終盤の猛烈な走りもあり、3位表彰台を獲得。チームのエース、グレッグ・ブラックを怪我で欠く中で、見事なリカバリーを見せました。YARTにポイントは逆転されてしまいましたが、6点差に留めたのは素晴らしい拍手を送るべきパフォーマンスでした。今回のボルドールはグレッグ・ブラック、エティエンヌ・マッソン、ダン・リンフットのレギュラー3人で挑み、バックアップとして渥美心が控えます。昨年もボルドールで優勝していますし、耐久レースでの信頼性という意味でもスズキGSX-R1000Rは抜群ですから、逆転タイトルはかなり可能性が高いと言えるでしょう。
対する「#1 YART YAMAHA」は昨年タイトルを獲得しましたが、ル・マンもボルドールも敗れています。2023年はスパ24時間で優勝がありましたが、24時間レースの優勝はなんと14年ぶりだったのです。ヤマハYZF-R1は現行型になっても24時間レースでは厳しく、実際には明らかなウィークポイントがあったそうです。しかし昨年、それを改善し、24時間レースにも勝てるようになりました。8時間レースの速さは今年の鈴鹿でも証明されましたが、果たして最終戦のボルドール24時間で、どこまで「#12 YOSHIMURA SERT MOTUL」に対抗できるか?特に信頼性の部分が大きな鍵になりそうです。