「運がよくない人」に多い、他責思考のクセ
成功は運の良さ、失敗は自分のせいだと捉える
物事がうまくいったとき、その成功は自分の力で引き起こしたのだとつい考えてしまうことがあります。反対に、うまくいかなかったときには「あの人が〇〇したから」「環境がダメだったから」と他人や周囲の環境のせいにしてしまうこともあります。 そんな気持ちは誰の心の中にもあるものですが、もっと強い運を引き寄せたいと願うのであれば「成功は運の良さ、失敗は自分のせい」と、いつも謙虚に捉えましょう。 まず、なにか物事がうまくいった場合のことを考えてみます。「自分の力でうまくやれた!」「私ってすごい!」そう思った瞬間に慢心や驕りが出てきます。そして、そこに油断や手抜きが生まれ、結果として、失敗を招くのです。 今の現実は過去の努力と運の結晶です。今の努力を怠れば、未来はどうなるでしょうか? 手を抜いたツケは必ず回ってきます。慢心や驕りは自分では気づきづらいからこそ、とても怖いものなのです。 私は父から「驕りたかぶったらあかん。今日お前があるのは、支えてくれた人のお陰や。感謝の心を忘れたらあかん」と言われ続けてきました。自分1人で大きくなったわけではありません。どんな成功も、必ず周囲で支えてくれた人の存在があります。自分自身は気づいていない、目に見えないところで必死に応援してくれている人もいます。 父の言葉を深く、深く、深く胸に刻んでいるはずなのに、それでも無意識に驕っていたことに気づかされることがいまだにあります。「絶対にこうに決まっている!」「こっちのほうが正しいに決まっている!」という善の押し付けも立派な驕りです。まだまだ私も反省することがたくさんあります。 成功にあぐらをかき、驕りたかぶった瞬間、人はあっという間に落ちていきます。「周囲の人たちのおかげで、運が良かったからうまくいった」そんな謙虚な心を忘れず、過去の成功体験に固執せずに、未来のために努力しましょう。 また、物事に失敗したときは、自分に原因があったのではないかと見つめ直すことで、次回へ向けた改善をすることができます。仮にどんな不測の事態が起こったとしても、どんな理不尽なことがあったとしても、「あのとき自分はこうすればよかったんじゃないか?」と反省すべき点がまったくないことはあり得ません。 自分が悪いと責める必要はありませんが、状況を冷静に踏まえたうえで、「じゃあ自分はどうすべきか?」を考えることが大切です。
朝倉千恵子(株式会社新規開拓 代表取締役社長)