「運がよくない人」に多い、他責思考のクセ
実践行動に移せない人は「他責思考」である
自責か他責か―。この思考の差は、人生の方向性に大きな差を生みます。ハッキリと申し上げれば、他責思考の人は、永遠に自分の人生に満足することはできません。なぜならば、人生の舵取りを他者にまかせているからです。 自責思考とは、すべて自分の責任であると捉え、問題を解決しようとする姿勢です。逆に他責思考とは、問題の責任を自分以外の誰かや何かに求め、相手のせいにして物事を捉える考え方です。 同じ現象に遭遇しても、自責思考の人と、他責思考の人は見えている世界がまったく違います。私たちは現実をありのままに見ているのではなく、自分の考え方や思考をもとにつくられたフィルターを通して、世界を知覚しています。 自分の見たいように見て、聞きたいように聞いているため、根本的な思考を変えないことには、目の前の現実が変わる(変わって見える)ことはありません。 私は仕事柄、女性たちの人生相談も多く受けますが、驚くほど多くの人が他責思考です。上司が、夫が、姑が、地域が、日本の制度が...。そのせいで人生がうまくいかないと文句を言っても、状況はひとつも良くなりません。「それで、あなた自身はどうしたいんですか?」と尋ねると、黙り込んでしまう人もいます。 今、日本には他責思考がより深く蔓延しているのではないかという危機感を抱いています。2021年には「親ガチャ」という言葉が、ユーキャンの新語・流行語大賞のトップ10にノミネートされました。親は自分で選ぶことができず、当たりやハズレがあり、それ次第で人生が決まってしまうという認識が広がっているのです。 特に親や上司は選べないこそ、他責の温床になりやすい傾向があります。スタートラインが人によって異なることは事実です。 裕福で何不自由ない暮らしができ、家族は自分の挑戦を応援してくれるような家庭もあれば、お金もなく、なんの罪もない子どもが育児放棄やDVに苦しんでいるような家庭もあります。会社でも、あなたの成長を心底応援してくれるような上司がついてくれることもあれば、利己的で部下の足を引っ張ろうとするような上司の下に配属されることもあります。 それぞれ後者は、「ひどい」環境であることはその通りです。それであっても、やはり矛先は自分に向けてほしいのです。