全米メディアが称賛は6回8奪三振ゼロに抑えた大谷翔平の感性と頭脳…指揮官は「創造性があり打者の狙いの逆をつく」
エンゼルスの大谷翔平(27)が19日(日本時間20日)、敵地オークランドで行われたアスレチックス戦で「2番・投手」の“リアル二刀流”で先発し、最速は99マイル(約160キロ)をマーク、6回96球を投げ3安打8奪三振無失点の好投を見せた。打者としては3回二死一塁から右中間を破る二塁打を放ったが見事な中継プレーの前に走者が本塁で憤死。自らのバットで「投手大谷」を援護することができず2番手のスティーブ・シシェックが3ランを浴びるなどして5勝目を手にすることができなかった。大谷は、降板後、ライトの守備に入ったが4打数1安打で期待された35号は不発に終わった。 試合は1-4で敗れたが、大谷の調子のいいボールと相手打者の弱点を突くボールを組み合わせる感性と頭脳のピッチングを全米メディアが絶賛した。
4回からピッチングスタイルを変化
地元紙のオレンジカウンティ・レジスター紙は、敗戦を伝える記事の中で、大谷の先発について、「(崩れた)ブルペンと(1得点に終わった)攻撃の問題を別にして、先週のオールスターゲームで1回をパーフェクトに抑えて以来のマウンドになった大谷は、また新たな素晴らしい先発内容を見せた」と称えた。 「大谷は8三振を奪い四球はわずかにひとつだけで被安打3だった。そこまで効率的ではなかったため、マドン監督がブルペン陣を投入した時点で96球だった。大谷は、いくつか厳しい場面があったが、いずれも素晴らしい結果をもってピンチを逃れた」とした上で、エンゼルスのジョー・マドン監督のコメントを紹介した。 「スペシャルな、とてもスペシャルな選手だ。ピンチの場面で力を発揮してみせた。創造性があり、試合の中で相手が考えていることの逆を突くピッチングを見せた。球速も向上した。スライダーもよかった。カッターもよかった。そして最後にはスプリッターの調子もつかんだ。最後に彼が、スプリッターで奪った空振りを見ただろう。また新たな彼のスペシャルなパフォーマンスだった」 マドン監督は、大谷の頭脳的ピッチングを高く評価し、6回に先頭のカナを大きな落差のスプリッターで三振に打ち取った場面を例に出し、その配球を称えた。大谷は5回一死から変化球を主体に4者連続三振を奪うなどピッチングスタイルを変化させていた。 また同紙は「大谷は負け投手にはならなかったが、彼は打線の一員だっただめ、機能停止した攻撃陣の責任の一部を受け止めていた」とも記した。