有馬芸妓、最盛期150人がわずか15人に…「歴史絶やさない」半世紀ぶり新作
タイトルは「カラカラハイカラストリート」。古き良き阪神間の「ハイカラ」な雰囲気をイメージし、歌詞には「並走す阪神阪急恋雀(すずめ)」など、ゆかりの言葉をちりばめた。企画した旅館「有馬山叢(さんそう)・御所別墅(べっしょ)」のオーナー、金井一篤さん(43)は「由緒正しく、日本らしい雰囲気が芸妓文化の魅力。久々の新作で注目を集められれば」と語る。
後押しする動きもある。地元旅館の有志は20年10月に「有馬伝統文化振興会」を結成し、資金面で協力してくれる「有馬芸妓タニマチ」の募集を始めた。今年8月上旬までに地元住民や常連客ら約90人から274万円の寄付が集まり、一部は芸妓の衣装代や稽古代に充てられている。
同振興会の風早和喜会長(73)は「有馬芸妓は歴史が古く、貴重な存在。官民一体となって残していかなくてはいけない」と話した。
松山や熱海でも取り組み
各地の温泉街などでも芸妓文化に親しんでもらうための試みが広がる。 松山市の道後温泉では2020年11月、芸妓を仲介する「道後湯之町検番」が温泉街の古民家を改装し、芸妓と会話を楽しめる「お茶屋 華ひめ楼」を開業した。田中美帆代表は「芸妓を絶滅させないよう頑張っていきたい」と話す。 明治時代に芸者衆が集まった東京都新宿区荒木町でも昨年4月、元赤坂芸者の塩見文枝さん(57)が主宰するお座敷ライブハウス「荒木町舞台『津の守(かみ)』」がオープン。芸者が踊りなどの余興を披露するほか、文楽や講談のイベントも行う。 静岡県熱海市では21年2月、熱海芸妓(げいぎ)置屋連合組合が芸妓のゆるキャラ「熱海 まめっこ」を制作した。保育園や県外のイベントに呼ばれるなど大人気という。