“伝統的酒造り”ユネスコ登録で「新たな歴史の幕開け」焼酎王国・宮崎の蔵元も飛躍を誓う「焼酎を“SAKE”のように」「こうじ菌を世界基準に」
海外市場への挑戦
ユネスコへの登録は、焼酎を海外市場に知ってもらう大きなチャンスとなる。 宮崎県日南市には、県内最多の13の蔵元が残っている。このうち、明治25年(1892年)に創業した古澤醸造は、以前から海外市場の開拓に取り組んできた。 古澤醸造 古澤昌子さん: これからは「こうじ」という言葉が、世界基準になっていくことを期待している。 古澤醸造は、2016年から県内7つの蔵元ともにニューヨークへ渡り、試飲会などを通じて海外市場の開拓に取り組んできた。 古澤醸造 古澤昌子さん: 受け入れていただけるかドキドキしていたが、ニューヨークで食べた食事にも合うと、確信を持てた。 2020年には現地のバイヤーと契約を結び、アメリカへの輸出をスタート。2024年9月には、ベルギーで開かれた蒸留酒のコンテストでゴールドメダルを獲得するなど、伝統の味を着実に世界に広めてきた。
「SAKE」との差別化が課題
一方で、痛感したのは「日本酒」と「焼酎」の認知度の差だ。古澤さんは、焼酎が「SAKE」のように広く知られることが、輸出や消費の拡大につながると話す。 古澤醸造 古澤昌子さん: 本格焼酎は、スピリッツ(蒸留酒)の中でも違うものなんだよ、という差別化をより明確にできると、私たちが入っていけるところも出てくるだろう。コロナ以降、アメリカには行けていないが、風景がかなり変わってきているのではないかと期待している。 大切に伝統が受け継がれ、本格焼酎の出荷量・日本一を誇るまでになった宮崎県の酒造り。 ユネスコの無形文化遺産登録で、新たな歴史が始まろうとしている。 (テレビ宮崎)
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