【業界初】製麺会社が手がけた「ガチのラーメン缶が誕生」気になるお味を実食レポート
■麺の原料をチェック
らーめん缶のサイズは一般的なフルーツ缶と同じで、スープを含んだ内容量は250gある。原材料表記を見ると、麺の原料は植物性タンパクと小麦粉、食塩と書いてある。後半の添加物の表記にはかんすいとも書いてあるから(かんすいは食品添加物の一種)、この麺は一般的な中華麺と同じ材料で作られていることがわかる。
■紙ラベルにもメーカーの心配りが
原料を確認したところで、紙製のラベルをはがす。このらーめん缶は常温でも食べられるが、温めればスープに含まれている脂分が溶け、味も香りもより引き立つはず。そこで、湯に浸ける前に紙ラベルをはがしたのだが、ゆっくり引っ張っていくと、破れたりせずきれいにはがれた。一般的な紙よりも丈夫に出来ているらしく、また糊付けにもはがしやくする工夫があるようだ。缶詰メーカー三星の心配りであります。
■缶詰を湯せんするにはコツがある
さて、缶詰を湯せんするにはコツがある。湯せんに使うクッカー類は、缶詰よりもひとまわり大きいサイズがいいのだ。大きすぎると湯(水)がムダになるし、小さすぎると缶詰が湯に十分浸らない。 今回使ったのは容量が350mlの小型マグだった。らーめん缶を入れると、缶詰とマグとの隙間がごくわずか。それでいて深さは缶詰全体が収まるから「これこそシンデレラフィット!」と、ひとりでほくそ笑んでいた。 しかし、実際に湯せんしてみたら、このチョイスは失敗だった。缶詰と水を入れたマグを火にかけると、缶詰の周囲のすきまが狭いため、湯が沸騰した勢いで外にあふれ出てしまった。もっと大きさに余裕のあるマグを使うべきだった(今回は火の勢いを弱め、弱い沸騰状態をキープすることで解決した)。 ちなみに、こうしてフタを開ける前の缶詰を湯せんする場合、湯の沸騰状態は最長でも5分間としたい。それ以上加熱し続けると、缶内の圧力が高まり、フタが破裂する可能性があるのだ。もしフタが膨らんできたら、すぐに火を止めること。 これ大事!
■麺には独特の食感あり
かくのごとし。開缶すると、湯せんで温まったおかげで、メンマとしょう油の香りがプンと立ち昇ってくる。まずは熱々のスープをすすると、魚介のダシが利いたシンプルなしょう油味だ。すっきりしつつ、旨味が舌の上に残る感じ。 かなり太い麺を箸で持ち上げると、途中で千切れることもなく、ずるずると出てくる。そのまますすりこむと、一瞬つるつるした食感に思えたが、舌で触ると表面にごくわずかな抵抗がある。強いていえば、麺の表面にミクロレベルの凹凸があるような感覚だ。 この食感は好みが分かれそうだが、麺はふやけていないし、柔らかめではあるが弾力はある。いずれにしろ、この状態が3年間も保たれるというのは驚くほかない。 丸山製麺によると「麺の太さや、原料の配合比率などを工夫した」というが、詳しいことは企業秘密である。