23年9月期は大きく飛躍へ、タカトリSiC切断加工機の強み
受注が大きく伸びているSiCの切断機(写真:タカトリ)
精密切断加工機が主軸の産業機器メーカー・タカトリ(6338)。SiC(炭化ケイ素)パワー半導体切断加工装置の受注拡大を受け、今2023年9月期の業績は大きく伸びると予想される。好調な受注の要因、今後の展望などを増田誠社長に聞いた。 ――タカトリの沿革について教えてください。 1950年に奈良県工業試験所のサポートを受け高鳥機械製作所を設立した。当初は奈良県の名産物である吉野葛の粉砕装置を手がけ、天皇陛下の奈良県工業試験所訪問を機に売り上げが一気に拡大し全国に知れ渡った。 次に開発した、パンティーストッキングの縫製自動機では世界有数のシェアを獲得した。ところが繊維分野の不況の影響を受け、1980年には方向転換を余儀なくされることになった。 シャープ(6753)の天理工場、郡山工場(現奈良工場)、新庄工場(現葛城工場)に囲まれているという立地条件などを受け、シャープの手ほどきで、半導体製造装置、液晶製造装置などへ参入することにした。その後、8インチ・シリコンインゴット(高純度のシリコン単結晶)の切断加工装置、水晶振動子用水晶切断装置、LED用人工サファイヤ切断加工機などの切断加工装置の開発製造を手がけてきた。 さらに、医療機器分野ではLEDの滅菌殺菌プロセスを活かした胸腹水濾過濃縮装置にも参入している。
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脇坂 司