【ビジネスの極意】ドラッカーの名言にある「全体最適」とは?| 全体最適と部分最適との違い、メリットやデメリットを解説
全体最適には3つのデメリットも
全体最適には、以下の3つのデメリットもあります。 ・最適化の速度が遅い ・組織内対立が発生する恐れがある ・現場の対応が大変になりがち それぞれ詳しく解説していきます。 ◆デメリット1:最適化の速度が遅い 全体最適のデメリットとして、最適化の速度が遅いことが挙げられます。 全体最適は企業全体で最適化を進める必要があるため、とにかく時間がかかります。お金で解決できる問題でもありません。企業の規模が大きくなればなるほど、全体最適で時間がかかってしまいます。 また、全体最適が完了したあとの新体制に慣れるまでの時間も含めると、より多くの時間を見積もる必要があるでしょう。 全体最適を実施する際は、業務に支障が出ないようスケジュール調整が必須です。 ◆デメリット2:組織内対立が発生する恐れがある 全体最適のデメリットとして、組織内対立が発生する恐れがあることが挙げられます。全体最適は企業全体の利益を優先するため、部署によっては損害が発生する可能性があります。 例えば、全体最適によって新規顧客獲得の必要性が薄れてしまった場合、営業部を縮小・解体する必要がでてきます。営業職の従業員からの反発を招く可能性も考えられるでしょう。 だからこそ、全体最適を実施する際は、企業の最高責任者(社長など)が責任を持つ必要があるのです。 ◆デメリット3:現場の対応が大変になりがち 全体最適のデメリットとして、現場の対応が大変になることも挙げられます。 基本的に、全体最適を担当・主導するのは経営者やマネージャーです。経営者が現場目線を考慮せずに全体最適を進めてしまうと、現場の対応がスムーズにいかないといった事態に陥ります。 全体最適を実施する際は、現場が抱える業務が忙しくないときを考慮するなどして、可能な限り、従業員や中間管理職の負担を減らすようにしましょう。
全体最適化を進める際の4つのポイント
全体最適化を進める際のポイントとして、以下の4つが挙げられます。 ・ITツールを活用する ・組織内のコミュニケーションを活発化させる ・責任者を決める ・従業員の理解を得る それぞれ詳しく解説していきます。 ◆ポイント1:ITツールを活用する 全体最適化を進める際は、ITツールを活用するようにしましょう。ITツールの導入は、現代社会では必要不可欠だと言えます。 チャットツールや文字起こしツールなどを導入することで、業務量が大幅に削減されるだけでなく、ヒューマンエラーも減ります。 ITツールを活用する際は、外注先企業の言いなりになるのではなく、担当者が責任を持って自社に合ったITツールを選定することが大切です。例えば、同じチャットツールでも、ChatWorkとSlackでは性質がまるで異なります。実際にテスト運用してみて、使い心地を確かめてみましょう。 ◆ポイント2:組織内のコミュニケーションを活発化させる 全体最適化を進める際は、組織内のコミュニケーションを活発化させるようにしましょう。 全体最適化を進めるには部署間の調整が必要です。それに加えて、部署を超えたアイデア出しも求められます。 チャットツールの活用や、コーヒーブレイク、ときにはお酒の場を設けることで、組織内のコミュニケーションを活発化させましょう。 ◆ポイント3:責任者を決める 全体最適を実施する際は、責任者を決めるようにしましょう。全体最適は、場合によっては「痛み」を伴うことがあるため、明確な責任者を設けて意思決定力を強める必要があります。 責任者を決める際のポイントは、可能な限り上層に位置する人材に担当させることです。理想を言えば経営者が担当した方がいいですが、リソースを割けない場合は、経営者自らが責任者を指名して、トップダウンで全体最適を進めた方がいいでしょう。 ◆ポイント4:従業員の理解を得る 全体最適を実施する前に、まずは従業員の理解を得るようにしましょう。 先ほども述べた通り、全体最適には「痛み」が伴います。従業員の理解を得ない状態で半ば強引に全体最適を進めてしまうと、従業員が強く反発する可能性があります。 全体最適をスムーズに進めるためにも、あらかじめ社内全体に告知し、従業員の理解を得るようにしておきましょう。具体的な詳細に関しては、各部署の担当者に共有してあらかじめ根回ししておくと、全体最適がスムーズに進むようになります。