【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第2ステージ】叶えられなかった「夢」を射止めたポガチャル。全てのグランツールで区間優勝達成に「自転車界では大きな快挙。最高にハッピー」
スプリンターたちのポイント貯金に関しては、前日に続き、カーデン・グローブスが最も勢力的に動いた。翌3日目からの平地連戦を前に、チクラミーノ最終候補としては最多の8ポイントを確保。またグランツール区間11勝を誇りながら、これまでジャージ獲りには一切興味を示してこなかったカレブ・ユアンも、今区間は2度のポイント収集機会でスプリントに混ざった。
念願を果たしたフィオレッリは、インテルジロを最後にプロトンへと戻り、そのインテルジロへ向けたダッシュを利用して、アンドレア・ピッコロが逃げ集団からさらに前へ出た。目標はずばりステージ優勝。「簡単ではないことは分かっていたが、トライしなければ始まらない」と、2年前のジャパンカップで2位に食い込んだ23歳は、単独での逃げに切り替えた。少なくなったタイム差も、一時は再び3分にまでこじ開けた。
ただラスト50kmには3つの山岳が連なり、なにより道の果てには、今大会初の山頂フィニッシュが待っていた。序盤の平地では最前列にコントロール役を1人配置していただけのイネオスも、山の接近とともに、いよいよチーム全員で隊列を組み上げた。ナルバエスのピンク保守の可能性を潰してしまわぬように、同時に昨ジロ総合2位ゲラント・トーマスの戦いを有利に運ぶために、黙々と一定リズムを刻む。少しずつ、着実に、ピッコロとの距離を縮めていく。
一方のUAEチームエミレーツは、序盤からアシストを惜しみなく働かせた前日とは異なり、この日は100kmを過ぎまで控えめに過ごした。山入り後もすぐには主導権を取りに行かず、あくまで最終峠を待った。ひどくクレイジーだった初日と比べれば、極めてクラシカルな手法を選んだ。
しかし、ジロは、いつだってドラマに満ちている。最終登坂オロパの登坂口に第2中間ポイント……すなわちボーナスタイム発生ポイントが設置されていたものだから、自ずとプロトン内の緊張感は高まった。複数の総合チームが前方へと競り上がり、スピードも急激に増していく。それでも世界最高ルーラー、フィリッポ・ガンナの引くイネオス隊列が決して場所を譲らず、ライン手前で巧みにトーマスを最前線へと押し出した。いまだ1分半先を行くピッコロに次いで、元ツール覇者は2位通過2秒を手中に収めた。ガンナも3位1秒を回収した。
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