残り湯での「洗濯」ってどうなの? 衛生リスクと安心して使うコツをチェック
節水や環境配慮から「お風呂の残り湯を洗濯に使う」という節約方法を取り入れている家庭も多いのではないでしょうか。一方で、「衛生的に問題はないのか」と不安に思う方がいるかもしれません。 そこで本記事では、残り湯を使った洗濯の衛生リスクや、そのリスクを軽減するポイントを詳しく解説します。 ▼「シャワーだけ」vs「お湯をためる」1人暮らしはどっちがお得? それぞれの水道代・ガス代を比較
残り湯の細菌は入浴する人数が多いほど増加
衛生微生物研究センターによる調査では、「浴槽にお湯を張った直後」「入浴直後」「入浴後から晩放置後」の3段階で風呂水の細菌数を3つの家庭で比較しました。 調査結果によると、お湯を張った直後の風呂水には、1ミリリットルあたり数十個の細菌が確認されました。 しかし、入浴直後になるとその数は数百個から数千個に増加しています。 一晩放置された風呂水では、細菌数が数十万個から数百万個に達し、最初の状態に比べ数千倍にも増殖していました。さらに、入浴する人数が多いほど、細菌数が増加する傾向も見られました。 ■健康な人なら残り湯でも問題ない 残り湯に含まれる細菌の多くは、人の皮膚などの身体に由来するものであり、健康な人であれば病気になる心配はほとんどありません。 これらの細菌は日常生活で接触しているものが大半であり、過剰に心配する必要はないということです。また、節水やエコの観点から考えると、残り湯を活用することは非常に意義があります。 もっとも、衛生面を考慮するのであれば、残り湯を使用する際の注意点はあります。次の項目での残り湯を洗濯に使う際の注意点を見ていきましょう。
残り湯を洗濯に使う際、すすぎは水道水が望ましい
洗濯の目的は汚れや細菌を取り除くことですが、除菌が主な目的ではありません。そのため、細菌の数に過剰に気を使う必要はありません。ただし、洗濯物がしっかり乾かないまま放置されると、生乾き臭が発生することがあるため、注意が必要です。 また、残り湯を利用する際には、洗濯機のフィルターや内部も定期的に清掃したほうがよいでしょう。定期的に清掃を行うことで、残り湯を使用した際に付着する汚れや細菌の蓄積を防ぎ、洗濯機の性能を維持できます。 残り湯には細菌が多く含まれていることもあるため、水道水と使い分けることをおすすめします。「洗い」の際には洗剤が使われ、続いて「すすぎ」の工程もあるので、残り湯を使用しても大きな問題にはなりません。衣類に細菌を残さないように、すすぎには水道水を使用することをおすすめします。