マイクロストラテジーの強気なスキューは解消、慎重な市場センチメントへ
トレーダーは、ビットコイン(BTC)にレバレッジをかけるという、ナスダック上場企業のマイクロストラテジーのアップサイドを追いかけなくなり、市場センチメントが慎重なものへと変化している兆しが見られる。 データ追跡ウェブサイト、マーケットカメレオン(Market Chameleon)によると、同社の250日間プットコールスキューは、プット(売りオプション)とコール(買いオプション)のインプライド・ボラティリティの差を示しており、3週間で-20%からゼロに回復した。 これは、トレーダーが原資産の潜在的な値上がりから非対称なアップサイドの利益を得るために使用するコールオプションが、3週間前に観測された並外れて高いプレミアムではなく、ダウンサイドへの守りを提供するプットと同等の価格で取引されていることを意味する。 これは、センチメントが超強気から中立に転じたとも言える。 データソースのトレーディングビュー(TradingView)によると、この変化は、同社株価が現地時間11月21日に過去最高の589ドルを記録して以来、44%超も下落して289ドルになり、本記事執筆時点から過去わずか2週間で評価額が34%下落している中で起きた。 「マイクロストラテジーの株価がピークから44%下落し、他の企業がはるかに小さな規模でビットコインを財務上の資産として戦略的に採用していることから、このナラティブによって生み出されたビットコインへの追い風は勢いを失いつつあるようだ」と、10xリサーチ(10x Research)の創設者であるマルクス・ティーレン(Markus Thielen)氏は顧客向けの文書で述べている。 マイクロストラテジーは 2020 年、バランスシート上にビットコインを加え始め、それ以来 446400 BTC (約426 億ドル) を蓄えており、その購入資金は多くの場合、債券の発行によって賄われている。そのため、同社は 2024年にビットコインへのレバレッジをかけたベットと見なされており、2024年は346% の値上がりで幕を閉じ、ビットコインの121%をはるかに上回った。 ただし、年末の動きは期待外れなもので、同社株は12月に25%下落した一方、ビットコインは3%しか下落せず、90000ドルを超えて比較的安定している。 これは、ビットコインへのレバレッジをかけたベットとして同社の魅力が弱まっていることが示唆されている。 「ビットコインを大量購入したにもかかわらず株価が低迷しているのは、マイクロストラテジーを通じて1ビットコインあたり20万ドル(またはそれ以上)という想定価格を支払う意思が投資家にはもうなく、はるかに低いコストで直接購入できるからだ」とティーレン氏は指摘した。 |翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Shutterstock|原文:MicroStrategy's Bullish Call Skew Disappears in Cautious Market Sentiment
CoinDesk Japan 編集部