投資資産としての「航空機エンジン」価格…いまがピークか、それともさらに上昇か?
航空機ファイナンス市場における最新動向をはじめ、エアライン与信分析データ、機材鑑定評価、航空機材取引価格データ、オーダーメイドアドバイザリーサービス、航空機投資イベントを提供する世界的企業、Ishkaが提供するオリジナルレポートです。今回は、近年のインフレと歴史的な円安が及ぼす航空機ファイナンスへの影響を見ていきます。
航空機ファイナンスの投資クラスに「変化」
日本のメガバンク系が海外の有力な航空機リース会社等を傘下にして事業を展開するなど、日本の金融機関が積極的に参加する航空機ファイナンスの投資クラスに変化が生じている。 航空機への資金需要は非常に巨額であり、近年のインフレと歴史的な円安も相まって、直近は、投資規模サイズが航空機単体よりも小さい航空機エンジンファイナンスに注目が集まっている。 一般財団法人 日本航空機開発協会が令和6年3月に発行した「民間航空機に関する市場予測2024-2043」によると、世界のエンジン需要(スペア用含む)は、8万7,459基、2019年のカタログ価格から推算すると、価格の規模は1.32兆ドルと見積もられている。 では、円安や急激なインフレ以外に、エンジン投資に人気が集まる要因はあるのか。その前に、Ishka(イシュカ)が実施した航空機エンジン購入調査(2024年第一四半期の1月と2月に実施)で現状を把握したい。 エンジン価格は、この18ヵ月間に急騰(調査結果下表参照)、特定エンジンが上昇するというよりは、弊社が調査したすべての機種で上昇していた。 これにはいくつか要因はあるものの、高価なエンジン整備と世界的な整備キャパシティ不足を航空会社が避け、スペアエンジン市場に目が向いているための需要の押し上げが要因と思われる。
単通路型機スペアエンジンリース料は緩和傾向に
その一方で、単通路型機スペアエンジンリース料は、前回調査以来、緩和傾向にある。まず、2024年初頭に航空会社の運航が増加し、エンジンを積極的に確保したことがリース料を突発的に上昇させたが、その傾向が落ち着いてきたとみられる。また、調査に参加するエンジンレッサーの数とその範囲の広がりにより、多くのグリーンタイムリース業社(使用可能なエンジンを持つリース業者の意)が加わったことで、リース料の予想範囲が広がったことも原因だ。 加えて、需要増加により、短期リースと長期リース料の差が縮小していることも調査からの気づきとなった。
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