「中古は恥ずかしい」という意識が変わったコメ兵4代目の若手時代 危機下で着手した組織強化
フリマアプリとの向き合い方
社長就任後、メルカリやヤフーオークションに代表されるフリマアプリが広がり、消費者間で中古品を売り買いするCtoCが広がっています。それらとの差別化をどう考えているのでしょうか。 「一つは販売の出口のチャネルの多様さです。買い取りの金額を上げることができ、お客様の利用機会が増えます。売り場に商品が並ぶので、こういうものが売れるとお客様に気付いてもらえます」 「また、我々が扱う商品はCtoCでは扱いにくい高価格のものが多く、取引の不安を解消するには、我々のような法人が間に入るのが安心と言っていただく機会も増えるでしょう。低単価を売りにしたり、商品ジャンルを絞ったりしているリユース店の方が大変ではないでしょうか。リユース市場は3兆円とも言われます。CtoCとも協調して商品の循環者を増やし、社会を動かしたいです」 コメ兵も2017年にフリマアプリを立ち上げますが、流通量が増えずに撤退しました。「お金を大量投下する広告宣伝には着手できませんでした」 しかし、経験は別の形で生きています。楽天グループのフリマアプリ「楽天ラクマ」で取引のあった商品の鑑定サービス「ラクマ鑑定サービス」には、コメ兵が開発した「KOMEHYOカンテイ」を提供しています。「コメ兵だけではリーチできないお客様との接点も広げていけると思っています」 ※後編は、コメ兵のユニークな人材育成や、海外展開、M&Aも含む成長戦略に迫ります。
フリーライター・夏野久万