周囲の景観を損なう!? “ド派手な家”から出てきた「真っ赤なセーター、真っ赤なパンツ、派手なメイク」の推定70代女性…土地家屋調査士が出会った家主の「意外すぎる素顔」
住宅と「コスチューム効果」の関係
心理学の用語に、「コスチューム効果」というものがあります。 スーツを着ると仕事モードがオンになるとか、制服を着ると気持ちが引き締まり、普段よりルールに厳格になるとか、そのコスチュームのイメージに合った意識を持つというものです。 ハロウィンなどのイベントで、派手な扮装をすることで、普段の自分とは別人のように大胆になってイベントを楽しむ人たちも、コスチューム効果によるものと言えましょう。 ペイントの家の女性も、真っ赤な出で立ちになることで、無意識に「こちらのほうが絵画の先生としてはしっくりくる」と感じていたのかもしれません。 「赤」という色は、色彩心理学では「情熱」とか、「活動的」というような意味合いがあるそうです。 この絵画教室の先生にとって、本当は内気で素朴なスタイルを好む自分から、「活発でアーティストらしい絵画の先生」を演じるために、派手な服装とメイクをまとうことは、一種のコスプレなのでしょう。別の人格を作ることで、本当の自分を守ることもできます。 アーティストの方は、やはり敏感で繊細だからこそ、一般人とは違う視点で素晴らしい作品を生み出せるところがあります。繊細な素の自分と、もう1人の「派手な先生」である自分とを切り離すことで、必要以上に傷ついたり、疲れたりすることを防いでいたのかもしれません。 ド派手な外壁も、柔らかい自分を守るためのバリアだとも考えられないでしょうか。一見、近寄りがたいような見た目の家なら、ある種の魔除けのようになって、あやしいものをシャットアウトしてくれそうです。 もしもあなたの周りに派手過ぎる家があったらどう思いますか? すごく変わり者が住んでいるかと思いきや、実は繊細な人が住んでいるのかもしれません。 ただし、冒頭でお話しした訴訟にまで発展したケースのように、派手すぎる外壁は近隣の人にストレスを与えることもあるようです。通りかかるだけならまだしも、ずっとその家が視界に入るような立地なら、少し注意が必要かもしれません。 平田 真義 土地家屋調査士
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