金星探査機「あかつき」の観測成果 JAXA会見(全文3)スーパーローテーションとは反対方向
観測データとシミュレーションとの間に大きな違いが
そうすると、われわれ、これ、予想していなかったんですけれども、観測データとシミュレーションの間で大きな違いがあることが分かりました。特に観測のほうは、午後に冷たい領域があるのに、シミュレーションのほうはむしろ午後に温かくなっていると。温かい、冷たいの関係が、シミュレーションと観測で正反対になっている。これはまだまだシミュレーションのほうに改善すべき点があるであろうということを「あかつき」のほうからシミュレーション側に伝えることができた。一方で風速のほうは、シミュレーションと観測がよく合っていて、こちらの特性については、シミュレーションはよく再現ができているんではないかと。ただ、温度のほうにまだ不一致があるので、ここは観測とシミュレーションというか、理論の人たちと手を取り合って、これも研究を進めていきたいと思っているところになります。 本資料のまとめとしては、スーパーローテーション生成メカニズムとして有力な熱潮汐波について、温度の観点と風速の観点で調査をしました。特に昼夜両面での風速というのは、これまで世界中の研究者が欲していたにもかかわらず得られていなかったのが「あかつき」によって初めて得ることができたのが非常に大きな成果だと、われわれ認識しております。特に、ここに1つ書きましたが、「あかつき」が選択した赤道軌道というのもこの観測に重要な貢献をしております。私からの説明としては以上になります。 司会:それでは質疑応答に入ります。時間があまりありませんし、このあとぶら下がりもありますので、お1人お1つずつとさせていただきます。それでは質問のある方はご所属とお名前をおっしゃってから、誰宛ての質問か指名をしてください。では質問のある方。じゃあ、あの方。 【書き起こし】金星探査機「あかつき」の観測成果 JAXA会見 全文4に続く