【阪神JF】フォーエバーヤングの妹・ブラウンラチェット 無敗での2歳女王へ
「いつもと違う」――これが今年の阪神JFのテーマと言えるだろう。 1990年以来34年ぶり、牝馬限定戦となってからは初となる京都開催で行われる2歳女王決定戦は例年とは違う結果となる予感がする。 【ガチ予想】2歳牝馬チャンピオン決定戦「阪神JF」をガチ予想!キャプテン渡辺の自腹で目指せ100万円! 物理的な話をすれば、京都競馬場の直線には坂はないし、長さも阪神競馬場と比べると70mほど短くなる。 それだけに先行馬が有利になるかと思われる。2000年以降、阪神JFで4角先頭に立って押し切った馬は3頭。5年前のレシステンシア以来の逃げ切り勝ちが見られるかもしれない。 だが、阪神JFと言えば差し馬が台頭するシーンを思い浮かべる人も少なくないだろう。 ウオッカやブエナビスタ、そして2022年のリバティアイランドなど、まだあどけない少女だった彼女たちが大人の階段を上るかのように一歩、また一歩と切れる末脚で先行馬たちを交わしていく姿に胸を躍らせたことだろう。 「いつもと違う」阪神JFではどんなレースが見られるか。
今から楽しみでならないが……今年の主役を張るのはブラウンラチェットだろう。 兄はケンタッキーダービーで3着に入るなど、国内はもちろん海外でも互角に渡り合うダート界のトップホース・フォーエバーヤング。 父がキズナに替わったことで妹のこの馬には芝向きの素軽いスピードが備わったのか、デビュー戦では3番手から動いて快勝。 そして2戦目のアルテミスSではスタートからスッと3番手に付けて流れに乗り、直線では逃げるミストレスを交わして抜け出し快勝。先行抜け出しの王道スタイルで重賞初制覇を成し遂げた。 440キロ程度という小さな馬体ながら、大きなストライドで伸びてくるその姿は大物感たっぷり。 距離短縮にもすんなりと対応していくところやスタートからスッと前に付けていける素軽さなど、レースセンスの高さも魅力。 大一番の阪神JFでもクリストフ・ルメールのエスコートを受け、好位追走から押し切る優等生なレース運びで2歳女王の座を射止めるだろうか。 ■文/福嶌弘