中古マンション購入のリスク3選! 新築高騰の今、見逃せない落とし穴を解説
ポイント3:マンション管理の外部委託が招くリスク
近年、マンション管理の現場では、役員の担い手不足を背景に「外部管理者方式」が広がっている。これは、管理業者が管理事務を受託するだけでなく、管理者として選任される仕組みだ。新築マンションでは、管理業者が管理者に就任することを前提に分譲されるケースも増えている。 こうした外部管理者方式の場合、住民の負担が軽減できる一方で、不適切な管理、管理組合と管理業者との利益相反の発生(業者が高額な契約を住民に押し付けるケースなど)、管理業者に支払うコストの増大などが生じる可能性が出てくる。マンション管理の主体は本来、区分所有者で構成される管理組合であるが、この方式が普及することで適切な運営が難しくなってくる。 こうしたリスクに対応するため、国土交通省は「マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン」を2024年6月に策定した。 このガイドラインには導入の進め方や住民参加の重要性が明記されている。適正な運営を担保し、管理組合に不利益が生じることを防ぐ指針としている。 【関連記事】>>最近増加する「第三者管理マンション」選びで失敗しないための5カ条とは 老朽化マンションの建て替えという選択肢 老朽化が進んだマンションでは、単に修繕や適切な管理を行うだけでは問題を解決できないケースがある。その場合に出てくるのが建て替えという選択肢だ。資産価値を維持し、住環境を改善する有効であるが、その実現には多くのハードルがある。 2024年3月時点で48件の建て替え実績のある旭化成不動産レジデンス株式会社のマンション建替え研究所によれば、建て替え等の発意から建て替え等決議までの平均年数は6.3年かかっている。 また、建て替え等の発意から建て替え等決議までの期間が2年以下のマンションは、区分所有者数が20人未満や20人~40人未満。小規模マンションでスムーズに合意形成がされる一方、大規模マンションでは調整が難航することが多い傾向にある。また、再建マンションの住戸の再取得率は、平均で60%だが近年は低下している。 一方で建て替えが成功した事例もある。筆者は、1967年竣工、総住戸数490戸の東京23区内最大級の大規模団地であった石神井公園団地の建て替えプロジェクト「Brillia City 石神井公園 ATLAS」の街開きイベントを2023年11月に見学した。 このプロジェクトでは建て替え期間は、3年にも及んだものの、総戸数844戸のうち新たな分譲住戸は543戸。多くの住民が再取得しており、愛着の強さと継承されるコミュニティーの良さが実現された好例と言える。 【関連記事】>>古い団地がリノベーションで、時代に合わせた住まいにシフト! いま人気の「新しい団地のあり方」とは?