何歳になっても夢は持つべきなのか?【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!第16回】
里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール! 日本を代表するレジェンドプレイヤーの2人が、野球からの学びをライフハックに翻訳、「生き抜く知恵」を惜しげもなく大公開。連載の第16回では、「大人にとっての夢」に関する考え方に迫ります! 【写真】里崎智也×五十嵐亮太 対談フォトギャラリー ■夢があったほうが人生はラク ――前回のラストでは「夢」についての話題となりました。いつまでも夢を持っていたほうがいいのか、夢にとらわれる必要はないのか。あらためてそのあたりから伺います。五十嵐さんは「いつまでも夢は持っていたほうがいい」と発言していましたね。 五十嵐 「夢」であったり、「目標」というのはないよりもあったほうがいいし、いくつになっても持っていたほうがいいというのが、僕の考えです。アマチュア時代は「プロ野球選手になりたい」という夢があったから頑張ることができたし、夢が原動力となることはやっぱり多いと思うから。 里崎 僕は基本的には、「夢や目標は持っていてもいいけど、別になくたって構わない」という考えですね。僕自身、子どもの頃に夢があったかというと、特に持っていなかったような気がしますね。もちろん、「レギュラーになりたい」「ヒットを打ちたい」「試合に勝ちたい」という思いはあったけど、それは「夢」というほどのものでもなかったから。 五十嵐 でも、さっきも言ったように夢を持っていたほうが頑張ることもできるし、ゴールまでの道のりも明確になるし、メリットの方が多いと思うけど......。 里崎 僕も夢を持つことを否定しているわけではなくて、「特に持たなくてもいいし、なくても構わないけど、夢があったほうが人生ラクになりますよ。夢があったほうが得ですよ」というスタンスだね。 五十嵐 「人生がラクになる」っていうのは、どういうことですか? 里崎 たとえば、学生時代に「プロ野球選手になりたい」という夢を持つとする。そうすると、極論を言えば他の科目を犠牲にしてでも、体育の授業、野球部の活動だけに集中すれば技術上達の可能性はグッと高くなるでしょ。つまり、「今、自分のすべきことは何か?」ということが明確になる。そうすれば人生がラクになる。 五十嵐 時間や努力を一点集中すれば効率的だし、効果も出やすくなるとは思うけど、野球だけしかできない、いわゆる「野球バカ」になってしまう危険性もありますよね。 里崎 もちろん、そう。でも、「プロ野球選手になる」という夢に近づく可能性が高くなるのも事実。極論を言えば、国語、算数、理科、社会、英語、美術や音楽もスルーするということ。とにかく、体育の授業だけを必死で頑張る。それぐらい徹底する。とことん身体を鍛え、野球の技術を磨く。それはやっぱり、「プロ野球選手になる」という夢の実現には効率的だから。