箱根駅伝 駒大は意地の2位 エース・佐藤圭汰が10カ月ぶり激走 7区で区間新記録
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場-東京・大手町=109.6キロ)青学大が往路の5区から一度もトップを譲らず、10時間41分19秒の大会新記録で2年連続8度目の総合優勝を果たした。往路4位の駒大が5時間20分50秒の復路新記録をマークし、2分48秒差の2位に入った。 往路4位の駒大は5時間20分50秒の新記録で復路優勝。総合2位に入り、7区を1時間0分43秒の区間新記録で駆け抜けたエースの佐藤圭汰(3年)は「走る前はめちゃくちゃ緊張した。復路優勝に貢献できうれしい」とほほ笑んだ。 6区の伊藤蒼唯(3年)から3位でたすきを受けた時点で、首位の青学大とは4分7秒差。4・7キロで2位の中大を抜き、〝怪物〟の異名にふさわしい走りで区間記録を57秒更新した。首位との差も1分40秒に縮め、8区の安原海晴へ。9区村上響、10区の小山翔也(すべて2年)も快走し、佐藤を筆頭に若いチームで戦い抜いた。 苦悩の時間を乗り越えた。昨年4月に恥骨の疲労骨折が判明し、一度復帰したが9月に再発。10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝をともに欠場した。練習も積めず「地獄みたいで絶望しかけた」と語る。 心が折れかけた時は、昨夏のパリ五輪男子5000メートル金メダルのヤコブ・インゲブリクセン(ノルウェー)の動画を見た。「強くなりたい。くよくよしていたら、こうなれない」と奮い立ち、戻ってきた。 実戦は昨年3月の米競技会のトラック種目以来、10カ月ぶり。ぶっつけ本番だったが、痛めた箇所を補うべく内転筋と尻の筋肉を強化したことで伸びのある走りが可能になった。「自分の体を見つめ直すいい機会になった。様々な面で成長できた」と前向きに語る。 衝撃的な区間新を出しても「まだ状態は70%」とさらり。次は今年の世界選手権(東京)出場を狙う。「目標は、1500、3000、5000メートルで日本記録を出すこと」。箱根から世界へ、新たなスタートを切る。(高橋朝香)