知事が異例の特別レッスン 東京・兵庫の高校生が福島で考える日本の50年後
3校が混成で、6人ずつのグループを作り、高校生へのアピールと、「50年後の理想像」を考えました。 同世代アピールには、 「自分の意見を持ち、一緒に考える」 「情報を発信する」 「いろいろなところへ行こう! 経験を周りに伝えよう!」 「今日からできることをやる」 などが並びました。
「50年後の日本」については、 「将来にツケを回さない社会」 「若者がのびのび社会を変えられる社会」 「いろいろな人が多様性を認めあい、不自由なく暮らせる社会」 「社会的幸福度の高い社会」 などとそれぞれ発表しました。 知事や東京電力に鋭い質問や感想を投げかけていた生徒も、意見の調整は苦労したようです。筑駒2年の壇宏樹さんは「十人十色の意見がでました。一人の抽象的な意見から広げて、みんなの意見が共通に入るようまとめようとしましたが、時間が足りませんでした」と話しました。 筑駒の宮崎大輔教諭(地理歴史科)は「みんな自分の考えをきちんと発言できていた。その後が大事。みんなで意見を出し合い、よりよいものを作るプロセスに喜びを感じてほしい」と講評しました。
◇ 灘高は2012年から気仙沼と福島で、震災学習ツアーを重ね、今回で18回目を数えます。筑駒は今回初めての福島訪問でしたが、校内で「水俣学習ゼミ」があり、昨夏に水俣訪問ツアーを実施。学習の方向性が一致し、今回2校合同ツアーとなりました。 福島県では、県内への修学旅行など教育旅行の敬遠が続いています。県によると、のべ宿泊数は震災後2割まで落ち込み、2015年度でも約6割までしか回復していません。県は今回のツアーに、県内外のメディアを招待し、教育旅行回復のPRに努めています。 (ヤフー社会貢献推進室・森禎行)