子どものむし歯が30年前より半分以下に減少した3つの理由とは? 歯科医師に聞く、正しい歯のみがき方
Point2)10歳までは仕上げみがきを 永久歯への生え変わりの時期は歯みがきがしづらいうえ、生えはじめの永久歯はむし歯になりやすいです。理想は永久歯が生えそろうまで親が仕上げみがきをすることですが、現実的に難しいので、10歳くらいまでを目指しましょう。 Point3)フロスで歯間をきれいに デンタルフロスは、歯ブラシが届かないような歯と歯の間の汚れを落とすのに役立ちます。すべての歯間をやる時間がないときには、歯並びが凸凹(でこぼこ)していて汚れがたまりやすい部分だけでもフロスをかけるとよいでしょう。 Q 歯ブラシは、どういうものがおすすめ? ブラシは、細い毛のほうが歯と歯ぐきの間などの汚れを落としやすいです。ただし、細い毛は毛先が広がりやすいので、こまめにチェックしましょう。歯ブラシをかんでしまう子も同様です。毛先が広がっていたら交換のサイン。1カ月に1回程度は交換するのが目安です。 【歯みがきグッズの選び方】 ・歯ブラシ 柄がまっすぐで握りやすいもの。仕上げみがきにも使う場合、柄は長めがおすすめ。 子どもの口に合わせて、ヘッドは小さめが◎。毛は硬すぎず細いものがおすすめ。 歯ブラシはさまざまな種類がありますが、大事なのは子どもが使いやすいこと、そしてこまめに交換することです。サイズが合うなら、電動歯ブラシでもOK。 ・歯みがき粉 歯みがき粉は、フッ素入りのものがむし歯の予防効果が高いです。子どもが受け入れやすい、味つきの歯みがき粉もおすすめです。 ・フロス 持ち手がついている、ホルダータイプがおすすめです。やり方を間違えると歯肉を傷つけるので、保護者が仕上げに使いましょう。 Q歯はみがいているけど、口臭が気になる… 食べカスの放置や進行したむし歯による場合もありますが、原因としてそれ以上に多いのが“口呼吸”で口の中が乾燥することです。そのほか、鼻炎、口の周りの筋肉が弱い、出っ歯で口を閉じられないことなども原因になるので、耳鼻科と連携するなど、原因に合わせた対策をします。
Q仕上げみがきのときに歯ブラシをかんでしまう 歯ブラシをかむと、すぐに毛が広がって歯ブラシがダメになってしまいます。治療や健診の際、本人に手鏡を持たせて、自分の口の中を確認してもらうと、口を開けたままでいてくれることがあるので、仕上げのときにも手鏡を持たせるとよいかもしれませんね。 (取材・文/中寺暁子) ○小林奈未子/昭和大学歯学部卒。予防医療を軸とした新江古田こばやし歯科クリニック(東京都中野区)で、小児歯科を担当。中1、小4、小2の母。日本小児歯科学会専門医。
中寺暁子