2018年のF1で「トロ・ロッソ・ホンダ」は旋風を巻き起こせるのか?
イギリスの名門、マクラーレンとの3年間のパートナーシップ契約を解消し、2018年からはイタリアの中規模チームであるトロ・ロッソとタッグを組むホンダ。トロ・ロッソ・ホンダで新しい旋風を巻き起こしてほしいところだが、現実にはそう簡単ではない。なぜなら、ホンダはF1復帰から3年間で一度も表彰台を獲得しておらず、トロ・ロッソも2008年に優勝して以降、一度も表彰台に上がったことがないからだ。 ホンダがトロ・ロッソとともに成功を収めるには、3つの課題をクリアしなければならない。 1つ目は、過去3年間苦しんできたホンダのパワーユニット(PU)の性能を上げることだ。 中でも急務なのは、信頼性の向上だ。 2017年にホンダは、PU由来のトラブルで合計9回のリタイアに見舞われただけでなく、年間4基しか使用できないPUを何度も交換。グリッドペナルティ数も合計390にも上った。2018年はさらにルールが厳しくなり、年間3基となる。ホンダが2018年にトロ・ロッソとともに活躍するためには、2017年以上の信頼性を確保することが必要最低条件となる。 ホンダが2017年に信頼面で苦労した最大の原因は、PUのデザインを一新したことだった。 「2016年までのコンセプトではライバルに追いつけないと判断した」(長谷川祐介総責任者/当時)ホンダは、これまでターボと一体化されていたコンプレッサーをエンジン前方へ移動。これによって、油圧系統の見直しを余儀なくされ、それがさまざまなトラブルの遠因となってしまった。 2017年シーズン中は目の前に迫ったレースに対応しなければならなかったため、ホンダは抜本的な対策を施すことができなかった。2018年にトロ・ロッソに搭載するPUも、基本的には2017年と同じコンセプトだが、信頼性を向上させるためにさまざまな改良が行われている。それらがきちんと機能するかどうかがポイントとなる。