2018年のF1で「トロ・ロッソ・ホンダ」は旋風を巻き起こせるのか?
最後の課題がドライバーだ。 どんなにF1がハイテクになっても、最終的にそれを運転するのは人間だ。モータースポーツの最高峰であるF1は、ドライバーも皆、トップレベル。だが、チームメート同士でもラップタイムが違うようにドライバーによって差があることもまた事実。 もちろん、ピエール・ガスリー(21、フランス)は2016年のGP2シリーズのチャンピオンで、ブレンダン・ハートレー(28、NZ)は2017年の世界耐久選手権の王者。ライバルと遜色のない経歴の持ち主だ。だが、どちらも昨年のシーズン後半からF1に参戦したばかり。問題は腕ではなく経験の差だ。 2017年にフル参戦1年目となったエスティバン・オコン(21、フランス)、ランス・ストロール(19、カナダ)、ストフェル・バンドーン(25、ベルギー)も、シーズン前半は苦労していた。これはヨーロッパ以外のグランプリがシーズン前半に連続するためだ。おそらくガスリーとハートレーも簡単ではないだろう。大切なことはここで焦ってつまらないクラッシュを犯すことなく、できるだけ多くの走行データを収集すること。ドライバーだけでなく、初めてタッグを組むホンダとトロ・ロッソにとっても、有益な情報となるからだ。 2018年のF1は、トップ3チーム(メルセデス、フェラーリ、レッドブル)以下の戦いが激しくなることが予想されている。その戦いをトロ・ロッソ・ホンダが制するためには、PU+車体+ドライバーという3つの要素のどれも欠くことはできない。 (文責・尾張正博/モータージャーナリスト)