トヨタ、圧倒的な強さで今季2勝目! 8号車が優勝。僚機7号車はトラブルで1-2逃す|WECサンパウロ6時間レース
インテルラゴス・サーキットで開催された世界耐久選手権(WEC)第5戦サンパウロ6時間レース。予選に続き決勝でもTOYOTA GAZOO Racing勢が速さを見せ、8号車GR010ハイブリッド(ブレンドン・ハートレー、平川亮、セバスチャン・ブエミ)がポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)のファクトリー963 LMDhの2台を抑えて優勝した。 【リザルト】WEC第5戦サンパウロ6時間レース結果 トヨタ8号車はブエミがアンカーを務め、ポルシェ6号車(ローレンス・ヴァントール、アンドレ・ロッテラー、ケビン・エストレ)に1分8秒差、ポルシェ5号車(フレデリック・マコヴィッキー、ミハエル・クリステンセン、マット・キャンベル)にさらに7秒差をつけてトップチェッカーを受けた。 レース前半をリードしたのは、ポールポジションからスタートしたトヨタ7号車(マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリーズ、小林可夢偉)だった。コンウェイのドライブでスタートしたトヨタ7号車は18秒のリードを築いていたが、フルコースイエロー中に速度違反があったとしてドライブスルーペナルティを科されてしまう。これでリードが散逸したが、その後レースが2時間を経過したところで燃圧センサーに問題が発生し、この修復のため3分の遅れを喫した。 一時最後尾付近まで後退したトヨタ7号車だったが、デ・フリーズと小林が猛烈な勢いで追い上げ、レース終盤には6番手まで浮上。そしてJOTAの38号車ポルシェ963(ジェンソン・バトン、フィリップ・ハンソン、オリバー・ラスムッセン)がタイヤ空気圧違反でドライブスルーペナルティを受けたことで4番手から後退すると、小林は残り5分でフェラーリ51号車499P(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョビナッツィ)を抜き去り、ポルシェ5号車から7秒遅れの4位でチェッカーを受けた。 トヨタ勢はミシュランのミディアムコンパウンドを、タイヤへの攻撃性が高いインテルラゴスの路面と、プラクティスと予選で見られた高い路面温度の中で機能させることができたようで、このミディアムのみでレースを走りきれたことも勝因だったと言えよう。一方でポルシェとフェラーリは、レース中にハードタイヤを使用した場面もあった。 ポルシェのファクトリー勢は上位を争ったものの、2台とも小さな遅れが響いた。6号車はレース序盤、JOTAの12号車ポルシェ963(ウィル・スティーブンス、カラム・アイロット、ノーマン・ナトー)と接触してパンク。僚機5号車はクリステンセンからキャンベルにバトンタッチする際にLMGT3クラスのマシンと接触し、テール部分を交換したために20秒を失った。 フェラーリ51号車はレース序盤にフルコースイエロー違反のドライブスルーペナルティで遅れ、先月のル・マン24時間レース制覇に続く勝利をサンパウロで掴むことができなかった。もう一台のファクトリーマシン、フェラーリ50号車(アントニオ・フオコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン)は僚機に及ばなかったもののトップ6に入った。 7位フィニッシュとなった12号車JOTA以下、93号車プジョー9X8、15号車BMW MハイブリッドV8 LMDh、36号車アルピーヌA424 LMDhがトップ10に入った。 LMGT3クラスでは、マンタイ・ピュアレーシングの92号車ポルシェ911 GT3-Rが今季2勝目。ハート・オブ・レーシングの27号車アストンマーティン・ヴァンテージGT3がクラス2位、佐藤万璃音もドライブするユナイテッド・オートスポーツの95号車マクラーレン・720S GT3 EVOがクラス3位に入った。
Gary Watkins