性被害の消防士、組織に不信感 ぞんざいな対応、からかいも
茨城県内の消防署での性被害を訴える20代の女性消防士は、他の女性も同じ男性消防士に被害を受けていたと知り、消防本部側に伝える決意をしたと明かした。だが、ぞんざいな対応の上司や、からかいの言葉を投げかける同僚の姿に、組織への不信感は募る一方だ。女性は「迅速な調査に加え、被害者保護を徹底してほしい」と求める。 「本当に怖い思いをすると、声が出なくなり体は動かなくなる」。取材に応じた女性は当時のことを振り返った。その後も、性的関係を迫る電話やセクハラまがいのLINE(ライン)が何度も届き、恐怖で眠れなくなる日が続いた。 上司に相談するかどうか悩んだ女性は、周囲に迷惑をかけてしまうと思い「死ぬまで職場の人には黙っているつもりだった」。だが数カ月後、他の職員も被害に遭ったと知った。「あの時相談していたら、彼女たちは被害を受けなかったかもしれない」。後悔にさいなまれ、声を上げる決心をした。 警察に相談していることを上司に伝えると「外でやるなら、組織としては協力できない」とも告げられた。