大人の勉強は「朝型」一択! 小刻み学習がよい理由とは?【50代からの脳トレ③】
また、“脳は期限を決めるとよく働く”という特性も。期限、つまり締め切りを決めるとギュッと集中して働きます。 脳が集中して作業しやすい時間は20~30分なので、脳の仕組みにもかなっているのが“朝の20分間”なのです。早起きが苦手という人もいるでしょう。でも20分だけなら、スマホを“なんとなく”見る時間を減らすだけで、そこまで起床時間を早めなくても確保できるのではないでしょうか。 時間の余裕がある週末に3時間まとめて勉強する、というやり方も否定はしません。でも、大人の脳に合わせたやり方で効率よく勉強するなら、朝20分間、それを“できるだけ毎日”続ける。 もし長く勉強時間が確保できるときがあったとしたら、ぶっ通しで勉強を続けるのではなく、“こまめに休憩を挟む”ことがポイントです。 20分を超えて勉強を続けているとどうしても使う脳番地(※第一回<大人になると暗記できなくなるのはなぜ?>参照)に偏りが出て、脳が疲れてきます。すると、ファイアリングが起きにくく、起きたとしてもピークが弱くなってしまいます。時間をかけて勉強しているわりにもったいないことになってしまうのです。 それに対して、“20分ごとに5分程度の短い休憩を挟む”と脳がリフレッシュでき、ファイアリングのピークが強くなります。集中していると1時間があっという間、ということもあるかもしれませんが、時間をかけて勉強できるときも、こまめに休憩を挟むことを意識するといいですね」
【教えてくれたのは】 加藤俊徳さん 脳内科医・医学博士・小児科専門医。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。株式会社「脳の学校」代表。脳科学、MRI脳画像診断の専門家として、胎児から90歳以上の超高齢者まで1万人以上を加藤式脳画像診断法で脳の使い方や脳相を診断。脳の成長や個性に合わせた学習指導や適職相談など、薬だけに頼らない脳が成長する治療を提供。著書に『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(サンマーク出版)、『1日1文読むだけで記憶力が上がる! おとなの音読』(きずな出版)など多数。 イラスト/藤田マサトシ 取材・原文/遊佐信子