大人の勉強は「朝型」一択! 小刻み学習がよい理由とは?【50代からの脳トレ③】
日付が変わる前に寝て8時間睡眠の確保を
朝型にシフトすることで脳のコンディションがよくなるのは、加藤先生自らが身をもって実感しているそう。 「私は毎晩22時前を基本にして、どんなに遅くなっても22時半には寝ており、翌朝7時に起きます。寝る時間を決め、そこから逆算して食事の時間、仕事を終える時間なども決め、20時を過ぎたら仕事のことは考えない、ということも徹底しています。 この習慣を始めたのは、実は50代後半から。ここ3年間は徹底しているのですが、そうするようになってから若いときより脳のコンディションがよいのを実感しています。 睡眠時間を気にせず夜まで働いていた頃は、その日に来たメールをすべて返し終わってから仕事を終わりにするという働き方でした。でも『もう少し考えてから返信をすればよかった』というようなことも、実際ありました。 朝型に切り替えた今は、以前は夜3時間かけてやっていたことが朝20分ですむようになり、効率も全然違うのです。 私が参加しているアルツハイマー協会主催の国際学会や国際睡眠学会では、寝ることは単に休むだけではなく、体の持つ排泄機能を高めるためにもとても重要であると盛んにいわれています。脳の老廃物がきちんと排泄できないと、結果的に認知症のリスクを高めるということも近年わかってきました。“タバコよりも睡眠をとらないことのほうが毒”とさえいわれているのです。 とはいえ、仕事や通勤時間の都合もあり、22時に寝るのは現実的に難しいという人もいるでしょう。そういう場合でも日付が変わる前にはなんとか寝て、睡眠時間は7時間を切らないようにしてほしいと思います。それが将来の脳を決めると言っても過言ではないのですから」
脳は「連続性」に強い! 毎朝20分間の勉強を
でも、朝だと十分な時間が取れない、という声も聞かれそうだが…。 「大人の勉強は何時間もかけてやらなくてOK。20分間でいいのです。“脳は連続性のあることに対してよく働く”という特性を持っています。勉強している事柄についての情報をこまめに脳に与えるほど、脳は『重要な情報』だと認識して、記憶として定着しやすくなります。 だから1回の時間はわずかでも、それを毎日続けることが大事。朝勉強した内容を昼間に思い出す、ということも記憶の定着に効果的です。