ネガティブな思考のスパイラル、「考えすぎ」を止める方法
考えすぎはメンタルヘルスに影響する
さらに心配なことに、専門家たちは考えすぎは知らぬ間に心身や日々の生活にダメージを与える可能性があると警告している。ノーレン・ホークセマ博士の研究によると、考えすぎは人生を困難にするだけでなく、人間関係に悪影響を及ぼし、重度の不安や薬物乱用などの深刻な精神障害を引き起こす可能性があるという。うつ病の性差に関する同博士の研究では、女性は男性よりも、悲しみや不安、または落ち込んだときに考えすぎると答える傾向がはるかに高く、考えすぎは女性のうつ病のリスクを高めることが分かっている。
考えすぎによって判断力が鈍ってしまう
考えすぎはより健康的であろうとする意図も阻害する。パリのピティエ=サルペトリエール大学病院の研究者が2022年に実施した研究では、研究者は参加者の1つのグループに1日を通して自動タスク(自動操縦)を行うように依頼し、もう1つのグループには認知制御(意図的な努力や集中)を必要とするタスクを行うように依頼した。その後、両グループに次に行う行動について2つの選択肢から選んでもらうという認知制御を使用する機会を与えた。 「平均すると、一日を通して認知制御をより多く使用したグループは、遅延してより大きな利益をもたらす選択肢よりも、即時の満足感をもたらす選択肢を選ぶ傾向がはるかに高かったことが分かりました」と、この研究を実施したアントニウス・ヴィーラー博士は述べている。「認知制御能力は時間の経過とともに低下するようです」
つまり、集中力と注意力を必要とするやり方で考えたり行動したりすることに多くの時間を費やすと(すなわち、考えすぎると)、運動の代わりにソファで寝そべったり、意識的にセーブする代わりに必要以上に食べたり、将来の自分のために役立つとわかっていても自己啓発を後回しにしたりする可能性が高くなるということだ。
いかに今の自分の状態に気付けるか
ローラは、偶然にもクラリティコーチだったクライアントと仕事を始めたとき、自分の考えすぎの影響に気づくことができた。「私は彼女のブランド戦略を手伝っていたのですが、決断に固執したり、過去を反芻したりすることで人は行き詰まってしまうと彼女が話すのを聞いて、まるで私のことだと思いました」