ネガティブな思考のスパイラル、「考えすぎ」を止める方法
社会的要因により女性は考えすぎに陥りやすい可能性がある
ピットマン教授は、女性の方が考えすぎに陥りやすいのは、神経科学というよりは社会的要因によるものだと考察する。「状況や人生全般に対するコントロールが弱ければ弱いほど、人はストレスを感じ、考えすぎてしまう可能性が高くなります」。「残念ながら、女性は自分の人生に対するコントロールが弱い(そして弱いと感じている)傾向にあります。それは、職場で意思決定者になる可能性が低いから、低賃金産業による経済的不安定さの影響を受けやすいから、あるいは主介護者の割合が高いから、つまり自分のニーズよりも他人のニーズを優先するからかもしれません」。これは、それほど驚くべきことではないにしても、憂鬱な内容だと言えるだろう。
「私は家族の中で自分を『まとめ役、リサーチ役』と位置づけています。何でもこなし、プレッシャーも背負っています」とローラは言う。「サポートも必要ですが、自立していると感じたい、そのように見えたいという切実な思いもあります」。過去数年間の統計を見ると、多くの人が同じ状況にあることが分かる。2022年に医学雑誌『ランセット』で発表されたレビューでは、世界中の女性が依然として家庭の無給労働の主な責任を負っており、家事や育児に1日平均3~6時間を費やしているのに対し、男性は30分~2時間の貢献に留まると結論付けている。これに加えて有給労働があるのだから、女性たちの頭が混乱するのも不思議ではないだろう。
完璧主義も考えすぎを助長する
考えすぎと、女性に多い精神衛生を害するもう 1 つの特性、完璧主義との重なりについても考えてみよう。「その人の完璧主義の傾向は、常に考えすぎという形で現れます。なぜなら、完璧主義者はどんな状況でも絶対的で疑いようのない最善の選択肢を探すからです」とアン・ボーゲルは指摘する。彼女は、著書のための調査中に数え切れないほどの女性と話し、この2つを結び付けて考えるようになった。完璧主義になるといわゆる「分析麻痺」が引き起こされる。これは、考えられるすべての選択肢や結果に固執しすぎて、決断を下すことができなくなる状態だ。