インド・クリシュナ神から滴る奇跡の水…人々が群がる「聖水」の残念な事実とは
辛酸なめ子のじわじわ時事ワード【インドの聖水】
信仰心が渦巻く国、インドでは新たな奇跡、というか奇異な現象が話題です。舞台となったのは、ヒンズー教の神ビシュヌの化身であるクリシュナが生まれた聖地として有名なウッタル・プラデシュ州ブリンダーバンの地。歴史あるシュリ・バンケ・ビハリ寺院で起こりました。 【イラスト】大谷翔平選手の妻・真美子さんが持つバッグの抜群の宣伝効果はエルメス「バーキン」並み? 寺院の壁には象の形をしたオブジェが備え付けられていて、そこから自然に水が滴っていたそうです。信心深いインドの方々は、その水が「チャラン・アムリット」と呼ばれるクリシュナ神の足元から滴り落ちる聖水だと信じて、コップでその水を受けて飲んだり、手でしずくをキャッチしたりしていました。滝行のように頭で受け止める人もいました。 でもその後、残念な事実が判明。人々が聖水だと信じていたのは、なんとエアコンの排水だったのです。壁から滴る水に群がる敬虔(けいけん)な信者の方々に、それはエアコンの水だと警告してあげる動画も拡散。しかし信者たちは、何を言われてもひるむことなく、聖水を求めていたそうです。 エアコンの排水でも、聖水だからありがたいという一心で飲めば、水質も変わるのでしょうか。聖なるガンジス川の水に比べたら、有害度は低そうにも思えますが、医療の専門家は、エアコンの排水には有害な菌類が含まれていて、感染症の原因になってしまうと注意喚起しています。 この由緒あるシュリ・バンケ・ビハリ寺院では、これまでにも奇跡的なできごとがあったようで、壁の飾りから滴る水を、人々が奇跡の水だと信じてしまうのも自然なことなのでしょう。 歴史は繰り返します。インドでは2012年にも似たような事件があったようです。ムンバイで聖像から水がしみ出してきて、何百人もの地元の人々が奇跡だと信じ込んだら、実際は配管の不具合による汚水漏れだったとか。水のトラブルが、奇跡や聖水に脳内変換されがちなのでしょうか。信仰バイアスで、全てが尊く見えるのなら素晴らしいです。 インドだけでなく、世界には水不足に直面している国々が数多くあります。また、生成AIや暗号資産の作業は大量の水を必要としていて、ますます人類の水不足が深刻化しそうです。たとえエアコンの排水でも、ありがたく思って水を大切にして生きていった方が良いということなのでしょう。インドのこの一件は、水に対する意識を改めるきっかけにもなります。
ロヘラ人
インドの可能性は計り知れません。ある森で近年発見された洞窟壁画には宇宙人やUFOを思わせる絵が。現代の映画などの宇宙人やUFOの姿と似ており、最近描かれたものでは?という疑念も湧きますが、約1万年前に描かれたものだという説もあります。 言い伝えでは、かつて「ロヘラ人」という小さな存在が空からやって来て、村人を丸い飛行物体で連れ去ったり、知識や技術を伝えたりしたそうです。壁画には、2030年と2046年という年も記されているとか。その頃に、地球人が宇宙人の助けを必要とする事態が訪れるのでしょうか……。(漫画家・コラムニスト、エッセイスト)