堤聖也が12年越しのリベンジに成功! 井上拓真の4団体統一戦の夢散る|Prime Video Boxing 10 初日
10月13日(日)、東京・有明アリーナで『Prime Video Boxing 10』DAY1(初日)が行われ、メインイベントのWBA世界バンタム級タイトルマッチは、王者の井上拓真(大橋)が0-3の判定で敗れ、3度目の防衛に失敗。堤聖也(角海老宝石)が新王者となった。WBC同級王者の中谷潤人(T.M)との統一戦は消滅し、『バッタモン』王者の誕生という新展開を迎えた。 【ライブ速報】『Prime Video Boxing 10』初日のセミ「寺地vsロサレス」、メインイベント「井上拓真vs堤」のリアルタイム試合経過はこちら ひとつのイベントで7つの世界戦を実施する、日本ボクシング界初のビッグイベントの初日のメインイベントを飾ったのは、少年時代から『モンスター』井上尚弥の弟しての宿命に抗い続ける井上拓真と、その拓真に12年前のアマチュア時代に敗れた「傷」を抱え続けてきた堤聖也の因縁マッチ。 堤はモンスター・トーナメントを制し、この世界戦に這い上がってきたが、それ以上に拓真に対する敗北を払拭することをテーマにした。拓真は「何もさせずに勝つ」と語り、世界で戦ってきた経験の差を見せたいとしたが、日本王者として激しい試合をこなしてきた堤は、根性で築き上げたフィジカルを武器に、粘つくようなインファイトで拓真に挑んだ。泥臭く手数で勢いを見せる堤に場内から「セイヤ」コールも起きた。 対して拓真は、何かを狙っているのかディフェンシブなファイト。6Rに入ると激しい打ち合いの応酬となったが、インファイトで身を削りながら猛打を重ねる堤に対して、拓真は芯を食わせない動き。しかし、ポイント負けもあり得る流れのためか、9R前には兄・尚弥から「残りすべて取れ」のアドバイスが飛んだ。10Rではもつれるようにしてロープに寄りかかり、スタンディングダウンを奪われた。その後も堤の積極性を維持して攻め続け、押し返せない場面が続いた。 パンチの正確性は拓真にあったが、判定は攻め続けた堤に軍配が上がった。勝った堤は「この日のこの瞬間のために戦ってきた。報われました」とコメント。拓真に向けては「彼がいたおかげで強くなれてこの場に立てることができた」と話し、感謝した。拓真ら1995年生まれの黄金世代の中で劣等感を抱えていた堤だが、そのトップに立っていた拓真を倒して世界王者になったことで大きな自信を得た。 「本物をぶっ倒したバッタモン、堤聖也です」と挨拶したが、どうしても世界王者になる必要があった。2023年末のモンスター・トーナメント決勝で死闘を演じ、試合直後に倒れ、今年2月に亡くなった穴口一輝(享年23歳)の無念も背負っていたからだ。 明日防衛戦を控える中谷潤人についても、「自分より強い王者」と表現した『バッタモン王者』だが、バンタム級世界戦線の新たな登場人物としてインパクトを残した。 スポーティングニュース本誌では、明日の『Prime Video Boxing 10』DAY2もリアルタイム速報でお伝えする予定だ。DAY2は、WBC世界バンタム級タイトルマッチとなる中谷潤人vsペッチ・ソー・チットパッタナのメインイベントや那須川天心のボクシングキャリア初の地域王座挑戦が目玉となる。
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