夫に買い物のしすぎだと怒られました。生活費を使い込み…落ち込んで眠れません。どうしたらやめられますか?
人は「幸福貯金」がなくなると「快楽」で借金をする
明世さんの場合は、新しい服や化粧品を購入することでドーパミンが刺激され、快楽につながっていったようです。そもそもの元カレのパートナーに良いところを見せたいという気持ち、これは日常の本当の幸福に気づいていれば、そんな方向に意識が向かわないはず。 「積極的に幸福を感じようとするこころのあり方は『幸福貯金』につながり、安定するものです。しかし、寂しい、自信がない、誰かを恨んだり、批判している、そんな感覚に飲み込まれている人は、幸福を感じようとして快楽に手を出しやすくなります。 一方で、愛されていると感じ、自信があり、人に感謝して生きている人は、心が満たされているので、快楽を求める必要なんてないのです」(あきこ先生) 明世さんは婚活の末に現在の夫と出会い、結婚しています。本人の中では「妥協した」という部分もあったようで、そんな気持ちが元カレの妻をライバル視してしまう背景にあったのかもしれません。今目の前にある生活を心から感謝して、日々に喜びを見出すことで依存の沼から抜け出せる日がくると良いですね。
【答えてくれた人】
山下あきこ 医学博士、内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医。1974年佐賀県生まれ。1999年川崎医科大学卒業、福岡大学病院脳神経内科を経て、米フロリダ州メイヨークリニック留学。佐賀県如水会今村病院勤務。人々が健康づくりを楽しむ社会を目指し、2016年、(株)マインドフルヘルスを設立。アンチエイジング医学、脳科学、マインドフルネス、コーチングを取り入れたセミナー、企業研修、健康コンサルティング等を行う。著書に『やせる呼吸』(二見書房)、『こうすれば、夜中に目覚めずぐっすり眠れる』(共栄書房)、『死ぬまで若々しく元気に生きるための賢い食べ方』(あさ出版)、『悪習慣の罠』(扶桑社)。
『「やめられない」を「やめる」本 -脱・依存脳- 』 著/山下あきこ(脳神経内科専門医) 発行/小学館 定価/1,650円(税込)ページ数/192P お酒、タバコ、ギャンブル、SNS、ムダ使いといった、やめたいと思いつつも、なかなかやめられない悪習慣への依存行為・行動。この「やめられない悪習慣」を「ゾンビ習慣」と呼び、25年間にわたり、脳神経内科医として約6万人の患者と向き合ってきた著者が、その正体や習性ついてわかりやすく解説。脳の仕組みを利用して良い習慣を上書きする新メソッド「エモーショナルシフト」を活用することで、今度こそ、ゾンビ習慣から確実に脱却するためのヒントとアドバイスを行います。
kufura編集部