【本屋は生きている】神戸から沖縄を思い続ける専門書店「まめ書房」 見上げれば、限りなく緑に近いブルー
金澤さんが選ぶ、本土から沖縄が見える三冊
●『基地で働く 軍作業員の戦後』沖縄タイムス中部支社編集部(沖縄タイムス社) 戦後、沖縄の米軍基地で働いていた住民達の証言集。仕事は士官向けバーの給仕やアイスクリーム製造から、破損兵器の修理や中ソの無線傍受、核兵器保管までさまざま。日本人が知らない「米軍統治下の沖縄」の異様さが浮き彫りに。 ●『来年の今ごろは ぼくの沖縄〈お出かけ〉歳時記』新城和博(ボーダーインク) 沖縄で編集者として活躍する著者による、味わい深いエッセイ集。観光客向けの「沖縄イメージ」とは異なる、普段着の沖縄の暮らし…そこにひょっこり現れる楽しみや発見が、たっぷりのユーモアと数滴のペーソスを交え綴られる。 ●『がじゅまるファミリー』ももココロ(琉球新報社) 沖縄の新聞で20年連載が続く四コマ漫画の単行本。仲良し家族によるほのぼのとした笑いの中に、時事ネタはもちろん沖縄の伝統文化や歴史・沖縄戦や基地問題も取り込み描く。県外の私達にとっては、笑いの中から沖縄を知る格好の教科書。 (文・写真:朴順梨)
朝日新聞社(好書好日)