大阪でも行列の北九州「資さんうどん」 ユニクロ出身社長・佐藤崇史さんが考える「次なる最高の一杯」 一聞百見
北九州市のソウルフードとして親しまれている「資さんうどん」が大阪に出店して半年あまり。舌の肥えた大阪人を満足させて今も行列ができる人気ぶりだ。店を展開する株式会社資さん(北九州市小倉南区)の社長は生え抜きではない。外資系コンサルティング会社やファーストリテイリングで経験を積んだ経営のプロ。創業者の遺志を継承しながらも「第二創業」をかかげ、成長路線にかじを切った。「最高の一杯を日本中、世界中に届ける」と決意を新たにしている。 【写真】「資さんうどん」の定番、肉ごぼ天うどんとぼた餅 平日の午後2時過ぎ、ランチタイムを過ぎてもまだ行列ができていた。資さんうどん今福鶴見店(大阪市鶴見区)は関西1号店として昨年11月20日にオープンした。大阪メトロ長堀鶴見緑地線の今福鶴見駅から徒歩5分。商業施設の一角で他の飲食店としのぎを削る。 「記録的な売り上げです」と資さんの社長、佐藤崇史(たかふみ)さんは満面の笑みを見せた。大阪人は味にうるさく、コスパにも厳しいといわれる。ゆえに相当の覚悟をもって出店に臨んだ。 「全社の力を結集するプロジェクトを立ち上げ、1年前から周到に準備してきました」 昨年7月、大阪や兵庫のホームセンターで、1週間限定でキッチンカーによる販売を行った。8月から9月にかけて大阪・梅田の阪神百貨店地下飲食フロアで2週間限定で販売。開店前から200人を超える行列ができ、最長2時間半待ちとなった。9月には大阪城公園の野外イベントにキッチンカーを出したところ、来場者による人気投票で60店舗中の第1位になった。 10月、北九州市戸畑区の旧安川邸で行われた竜王戦で、八冠の藤井聡太竜王が昼食の「勝負めし」に資さんうどんの定番「肉ごぼ天うどん」を注文した。これがネット上で話題となり、追い風になったと思われる。 「大がかりな宣伝はしませんでした。これまで通信販売でご購入されたお客さまにご案内したのと、SNSで告知した程度ですね」 北九州の友人、知人、親戚を通じてその存在を知っていた人、旅行や出張で食べてくれた人が「待ってました」とかけつけた。後は口コミやSNSで次々に呼び込んでいったということだろう。 資さんうどんは「はなまるうどん」「丸亀製麺」に代表される讃岐うどんとは大きく異なる。