首相、森元首相への調査に応じず 裏金事件関与「指摘なし」
岸田文雄首相は26日の衆院予算委員会で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、清和政策研究会(安倍派)の会長を務めた森喜朗元首相に対する聞き取り調査に否定的な見解を示した。自民による政治資金収支報告書の不記載議員らへの調査で「森氏の具体的関与を指摘する発言はなかった」と語り、野党からの調査要求に応じなかった。 立憲民主党の奥野総一郎氏は、安倍派からの還流額の不記載が20年以上前から行われていた可能性に言及した調査結果に触れ「森氏に潔白を証明してもらえばいい。聞き取り調査は非常に恣意的だ」と強調。首相は、他の手段やアンケートなどを通じて「実態把握に努めなければならない」と述べるにとどめた。 裏金事件を受けて交流サイト(SNS)に確定申告のボイコットを訴える投稿が相次いでいることに関し「改めて国民の厳しい目を強く感じている。信頼回復に向け、強い覚悟で臨まなければならない」と釈明した。
不記載があった議員の政治責任や党の処分については「適切なタイミングで判断する」とした。