優先順位誤った「石破外交」トランプ氏との会談先送りのまま…「中国すり寄り」は外交オンチどころか〝確信犯〟に見える
石破茂政権の外交能力が懸念されている。日本は、中国とロシア、北朝鮮という核を保有する権威主義国家に囲まれているが、唯一の同盟国である米国のドナルド・トランプ次期大統領との対面会談を実現できていない。一方、岩屋毅外相は昨年12月に訪中し、数多くの懸案事項の具体的進展もないまま、中国人向けビザの発給要件大幅緩和を打ち出した。「外交の優先順位」に識者からも疑念が指摘される。石破政権の「対中融和」姿勢も影響したのか、ジョー・バイデン米大統領は今月初め、「安全保障の懸念」があるとして日本製鉄によるUSスチール買収に禁止命令を出した。今年は「戦後80年」の節目だが、石破政権に任せていて、日本の国益は守られるのか。 【スリーショット】トランプ次期米大統領、妻のメラニアさんと面会した安倍昭恵さん ■孫氏と会食 「首相から『日米関係が大事だ。いろいろ教えてほしい』といわれ、忌憚のない話をした」 ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は7日夜、石破首相らと東京都内の日本料理店で会食した後、記者団にこう語った。孫氏は昨年12月、米国でトランプ氏と会談している。 石破首相は6日の年頭記者会見で、「わが国が現在直面する安全保障環境は戦後最も厳しく複雑なものだ。わが国の平和と安全、人々の安全を守り抜くにあたっての基本は、十分な抑止力を確保しつつ、関係国との対話を重ねていくことにある」と語った。 ならば、真っ先に同盟国の次期リーダーと対面会談に臨むのは常識だ。石破首相が後ろから弾を撃ち続けた安倍晋三元首相の妻、昭恵さんも、トランプ氏との就任(20日)前の会談を後押しした。 ところが、石破首相は6日夜のBSフジの番組で次のように語った。 「(トランプ氏が)大統領になっていろいろな発言をされ、人事をやられた後の方が、私はやりやすい」「日本として何を言うべきかは、本当にきちんと戦略を練ってやっていかないといけない」 石破首相は昨年11月、ペルーの首都リマでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で各国首脳があいさつを交わすなか、スマホの画面に見入っていた。カナダのジャスティン・トルドー首相らがあいさつに訪れた際も、いすに腰掛けたままで握手を交わした。さらに、各国首脳との集合写真にも遅刻して欠席した。 日本政治史に残る「外交醜態」をさらしたトラウマでもあるのか。